【仙台上杉・シンガポールナイト】閉店メモが話題になった純喫茶のその後は?
Twitterユーザーが仙台・青葉区上杉の純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」について投稿したツイートが、2万件以上の“いいね”と“リツイート”を集めるなど大きな反響を呼んだ。話題の元となっている純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」を取材してきた。
先に断っておくが、完全禁煙の純喫茶なのでタバコの臭いが気になる人もこの記事を読んで、ぜひ足を運んでみてほしい。
【拡散希望】
仙台市青葉区上杉の喫茶店「純喫茶 星港夜(シンガポールナイト)」さんとても素敵な昭和の喫茶店ですが、3年後に閉店しようと考えているそうです(今日は私で4人目の客と仰っていた)
無くなるのは私が惜しいので、拡散して多くの仙台民に訪れてもらおうと思いました#仙台 #カフェ pic.twitter.com/D047nMeWJY— ともさん (@Traveloveliver) July 15, 2019
話題のツイートを投稿したのは、Twitterユーザーでコーヒー好きの「ともさん(@Traveloveliver)」さん。ツイートに添付されていた手書きのメモ画像には、「当店は、お客様が少ない為残念ながら2022年12月27日でお店を閉めようと考えております」と記されている。あと3年ちょいだ……。
さらに、「お客様が増えれば続行したいのですが……」と続いていることから、純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」の経営状況がかなり深刻であることがイメージできる。悲しい。ぐすん。
そういった状況に対し、「『日本の昭和の喫茶店をなくしてはいけない』と賛同していただける方、当店をみんなに紹介してください」と、店主の切実な思いも綴られている。
これに深く賛同した「ともさん(@Traveloveliver)」さんが「無くなるのは私が惜しいので、拡散して多くの仙台民に訪れてもらおうと思いました」とTwitterに投稿。すると、「なくなるのは寂しい」「近くを通るのに知らなかった」「今度ぜひお邪魔したいと思います」など、仙台市内はもちろん、県外のユーザーからも多くのリプライが寄せられていた。
仙台の純喫茶「シンガポールナイト」のその後……
だてらぼ編集部では、仙台・青葉区上杉の純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」を取材。このメモを書いた店主に話を聞いてきた。
↑上杉山通小学校の裏門の正面にある北四番丁駅を出発して5分ほど。話題の純喫茶「星港夜(シンガポールナイト)」に到着した。
しかし、7月15日(月)にTwitterで話題になった影響で、最初に訪れた7月22日(月)は店内に多くの客が押し寄せていた。いったん退散し、翌日の7月23日(火)23時ころに再訪してようやく話を聞くことができた。Twitterの影響力、すごっ。
——Twitterで話題になってますね。
ともさんさんがツイートしたのは7月15日(月)の21時ころ。その後またたく間に拡散され、翌深夜の1時には2017もリツイートされるなど、「勢いのあるツイート」としてランクインしたのだ。
——ともさんさんが訪れた日は、ともさんさんが4組目の客だったそうですが、その後、来客数は増えましたか?
——うれしい悲鳴ですね。どういうお客さんが多いんですか。
——意外ですね。
——年齢層はどれくらいですか。
——いつもおひとりで切り盛りされているそうですね。
一般的なカフェであれば、複数のスタッフでまわしている。しかし、閉店すら考えているシンガポールナイトだけに、「人を雇うほどの経営状況ではない」とのこと。
——最低でも5分もかかるんですか。
——まさに職人技、ですね。
——本当に2022年12月に閉店しちゃうんですか。
——あのメモはいつ貼り出したんですか。
このメモをきっかけに、純喫茶「(星港夜(シンガポールナイト)」の第二章が幕を開けたのだ。
——「星港夜(シンガポールナイト)」はいつオープンしたんですか。
——仙台にも純喫茶がたくさんあった時代ですね。
——シンガポールナイトみたいな純喫茶を目にする機会はめっきり減りましたね。
——喫茶文化はもともと日本の文化ですよね。
——この風潮が続くと、古き良き日本らしさみたいなのがどんどんなくなっていってしまいますね。
——たい焼きもシンガポールナイトらしさ、でしょうか。
——店内のインテリアもこだわりが伺えますね。
——「時間」と「空間」を買うって、なんか、すてきな表現ですね。
——本来の喫茶店はそういう場所だったのかもしれませんね。
——心を打たれます……。
昭和の喫茶店を伝えていきたい——そう繰り返すマスターが印象的だった。たしかに、スタバなどのカフェが増える一方で、シンガポールナイトのような純喫茶を目にする機会はほとんどなくなった。しかし、古き良き日本の喫茶文化は、わたしたちに大切な時間を与えてくれることをマスターから教わった。
インスタ映えのするおしゃれなカフェも悪くはないが、たまには日本らしさを、そして仙台らしさを味わいに純喫茶「星港夜(シンガポールナイト )」に足を運んでみてはいかがだろうか。
お話好きのマスターが、あなたに素敵な時間と空間を提供してくれるはずだ。
繰り返しになるが、客足が思わしくない場合、2022年12月27日に閉店することが決定している。もし、「シンガポールナイトを残したい」「日本の昭和の喫茶店をなくしてはいけない」と思った人は、ぜひシンガポールナイトに足を運ぶとともに、SNSなどで口コミしてほしい。
◎Special thanks:「ともさん(@Traveloveliver)」さん
・住所:宮城県仙台市青葉区上杉1-12-1
・TEL:022-222-2926
・営業時間:日によって異なる(おもに14:00~23:00)
・定休日:年中無休
・禁煙・喫煙:完全禁煙
・駐車場:なし(近くにコンパーキングあり)
この記事を書いた人
つきの萩子
東京の雑誌編集部で3年働いたのち、仙台と萩の月とほやが好きすぎてUターン。まだまだ知られていない仙台のディープなネタを発掘します。