仙台で牛たん自販機が話題!売れ筋商品は?味は?広報担当者に聞いてみた
2021.11.29
テレビや新聞、SNSを中心に話題を読んでいる牛たんの自動販売機。設置したのは、仙台で味付け食肉加工や卸し販売を手掛ける「株式会社バリューライフ」だ。自販機といえばドリンクやお菓子が一般的だが、なぜ牛たんの自販機を設置したのか。そして、どの商品が人気で、お味のほどはいかがなものか──。
牛たん自販機の設置場所であり、バリューライフの本社がある仙台市若林区鶴代町に向かった。
仙台市内に牛たんの自販機が出現!?
向かったのは、工場が立ち並ぶ仙台市若林区鶴代町の一角。牛たんの自動販売機は、株式会社バリューライフの本社前にある。牛たん自販機は2台並んでおり、見比べてみると少しだけ商品ラインナップが違うようだ。
上半分は2台とも同じラインナップ
【左側】「牛ハラミ塩(500円)」や「牛たん鍋こくうま山椒味(500円)」など
【右側】「?(500円)」とは……?
牛たんやホルモン、ハラミなど焼いて食べる商品の他、「牛たん鍋用」のメニューや「?」という謎のボタンもある。気になるのでさっそく買ってみることに。
まずは「牛たん切り落としねぎ塩味(500円)」
欲しい商品の番号をポチリ
お金を入れて「かう」ボタンを押すと取り出し口に出てきた
お次は、どうしても気になる「?」を購入。いったい、何が出てくるのだろう。
「当たり」があるらしい。出るといいな……
取り出し口に出てきたのは「牛たん鍋用こくうまラー油」
「あたり」なのか? 違うような……
商品ラインナップや買い方が分かったところで、バリューライフの広報担当・庄司真弓(しょうじ・まゆみ)さんにお話を伺った。
仙台で話題の「牛たん自動販売機」について聞いてみた
庄司さん、よろしくお願いします!
──テレビや新聞などで牛たん自販機が取り上げられて話題ですね。反響も大きかったのでは?
そうですね。おかげさまでたくさんの方にお買い求めいただき、「思ったより量があって良かった」というような感想が寄せられるほか、会社や個人商店から「うちにも牛タンの自動販売機を置いてほしい」とお問い合わせいただくなどかなり反響でした。
──現時点(2021年11月現在)で牛たん自販機は何か所に設置されているのでしょうか。
今のところ、30か所に設置しています。おもに仙台市内や多賀城、石巻など宮城県内ですが、福島県郡山市、山形県酒田市、千葉県浦安市にもそれぞれ1台ずつあります。
宮城県以外にも設置されていることにびっくり
──県外にも設置されているのですね! 30か所あるなかで一番売り上げが多いのは?
本社前ですね。若林区鶴代町のこの辺りは会社や工場が多い地域なので、夕方、お仕事帰りに買っていかれる方が多いようです。また、朝8時ごろに工事関係者の方が買っているのも見かけます。たまたま社員が声をかけたところ、「夜勤明けの朝ごはんに食べる」と話していました。
味がついているので焼くだけでOK
──お仕事帰りのお客が多いようですね。1日で1台あたりどのくらいの個数を売り上げているのでしょうか?
多い時は1台あたり100個ほどですね。テレビなどメディアで取り上げられた直後は、多くの方がいらっしゃいます。
──1台で100個とは驚きです。どのようないきさつで牛たんの自販機を設置したのですか?
弊社は2019(令和元)年夏から、おもにスーパーマーケット様へ味付き牛たんの製造・卸売りを行ってきました。そのノウハウを活かし、同年秋、泉区長命ヶ丘に「牛たん伝説 和顔(わげん)」という飲食店をオープンし、炭火焼きやシチューなどの牛たん料理を提供していました。
スーパーなどへの卸し販売も行っている 【画像提供:バリューライフ】
ところが、新型コロナウイルスの影響により、2020(令和2)年3月よりやむを得ず長期休業しています。それに代わってお客さまに直接、牛たんをお届けする手段として、自動販売機の設置にふみきりました。2020年7月中旬に仙台市内2か所(泉区長命ヶ丘、宮城野区出花)に設置したのが始まりです」
──設置にあたり、どのような想いがありましたか?
牛たんは仙台の名物ではあるものの、なかなか地元では食べる機会が少ない印象がありました。そこで仙台の人が牛たんを気軽に楽しめるような価格設定と量を意識しました。
500円で240gも入っているのでお得感満載
──確かに、牛たんは高級なイメージがありましたが、自販機ではほとんどが500円に設定されていることに驚きました。商品のラインナップを教えてください。
「タン元」「切り落とし」「ホルモン」「ハラミ」の焼肉4アイテムのほか、鍋用の牛たんをラインナップしています。鍋用の牛たんは本社前の自販機のみで取り扱っていて。牛たんの切り落としがスープで付け込まれているので、野菜があれば簡単に鍋ができますよ!
冬の定番は牛たん鍋に決まりですよ〜
──人気ベスト3とそれぞれの特徴を教えて下さい。
まず、ナンバー3は「牛ハラミ塩(500円)」です。ネギ塩だれで漬けたメニューで、独特の食感をお楽しみいただけます。
ナンバー2は「極芯牛たんうま塩(1000円)」です。希少部位のたん元(根元)部分を使っているのでとても柔らかいのが特徴です。塩だれにはイタリア岩塩と伊達の旨塩を半分ずつ使っているなど、原料にもこだわっています。
──気になるナンバー1は?
ナンバー1は「牛たん切り落としねぎ塩味(500円)」です。赤身の切り落とし部分を使っており、たれにはすりおろしたねぎが入っていて、イタリア岩塩も使われています。
──どれもおいしそうですね! 庄司さんのおすすめは?
ベスト3には入っていないのですが(笑)、「極芯 牛たんうま味噌(1000円)」です。仙台味噌を使った味噌だれでコクがあり、塩気もあります。自販機の商品のなかでは唯一の味噌味です。
──「?」と書かれたボタンが気になりました。「あたり」とは?
「?」は商品がランダムに入っています。ただ、それ以外にもう1種類隠しアイテムがあって、それが「あたり」です。
──隠しアイテムとは……?
筆者が「?」ボタンを押して出てきた「牛たん鍋用ラー油」は当たりではなかったようだ
──商品へのこだわりを教えていただきたいです。
当社が運営する「牛たん伝説 和顔」と同じ商品を使っているだけでなく、当社“秘伝のタレ”に一晩以上は漬け込み、冷凍したものを販売機にセッティングしています。
店舗で提供している牛たんを気軽に食べられるのはうれしい
──“秘伝のタレ”が気になります……
詳しくは秘密ですが、自社製造で、お子さんから年配の方まで食べやすく、肉のおいしさがより際立つような味を意識しています。
──どれもおいしそうな商品ばかりですが、よりおいしく食べるコツがあれば教えてください。
商品はすべて自然解凍がおすすめだそう
自動販売機で買った牛たんを食べてみた
取材が終わり、自宅に帰って「牛たん切り落としねぎ塩味」と「牛たん鍋用こくうまラー油」を食べてみた。
「牛たん切り落としねぎ塩味」は、塩とねぎの味がしっかりついていてご飯が進む。柔らかく食べ応えがあり、何よりもたっぷり入っていて、思わず「これで500円でいいの!?」とつぶやいてしまった。お得感満載な一品だった。
続いては「?」ボタンを押して出てきた「牛たん鍋用こくうまラー油」だ。牛たんの切り落としがスープで付け込まれているので、水を入れて白菜やねぎ、エノキなどと一緒に煮込むだけ。
おいしそう!
こうして出来上がったのがこちら。スープの辛味と牛たんが合う。牛たんというと焼くイメージが強かったので、鍋にしても旨味がでることにびっくり。今年の冬は牛たん鍋がはやりそうな予感。
500~1000円というお手頃価格で牛たんを楽しめる自動販売機。いろいろな味を試してみてはいかがだろうか。
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『株式会社バリューライフ』
・住所:仙台市若林区鶴代町4-52
・TEL:022-253-7208
この記事を書いた人
鈴木千絵
仙台育ち・在住。「書く」ことがライフワークと思っている、会社員です。趣味は旅行やドライブです。大好きな仙台の魅力的なスポットを深堀りし、発信していきたいです。
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