おまけやオモリも!?仙台・幸町にある文房具の自販機が即買い必至のお得感!
2020.07.09
自動販売機といえば、ドリンクやタバコが一般的だ。
お菓子やパン、なかにはフライドポテトや焼きおにぎりなどの食べ物がラインナップしている自動販売機もあるだろう。いずれにせよ食べ物やドリンクがスタンダードである。
しかし、仙台市・幸町に文房具の自動販売機があるという情報をキャッチしただてらぼ取材班。どんな文房具がラインナップしているのか。そして、なぜ自動販売機で文房具を売っているのか——? これらの謎を確かめるため、まずは現地へ向かった。
どんな文房具があるの?
文房具の自動販売機があるのは、仙台市宮城野区幸町2-11-23。
ファミリーマート幸町二丁目店のすぐ裏にあるはずだが……
あった!
遠くから見ると、一見なんの変哲もない自動販売機。しかし、近づいてみると……
確かに文房具が売っている
上の段にはペン類がラインナップ。左の4つは売り切れだが、アニメ『僕のヒーローアカデミア』のドクターグリップ限定モデル。中央の2本は500円のシャープペンで、右の4本は900円のボールペン。
上の段はこんな感じ
下の段には、トミカ(500円)とクーピーセット(400円)がラインナップされていたが、残念ながらすべて売り切れ。
下の段はこんな感じ。文房具以外もあることにびっくり
現状、買えるのは上の段にある500円のシャープペンと900円のボールペンのみ。せっかくなのでより高額なほうを買うことに。
人気のジェットストリームシリーズ。定価は1100円(税込)なので、200円おトク
1000円札を入れてボタンを押すと、「ゴトンッ」というボールペンらしからぬ音とともに取り出し口に落ちてきた。
んっ? なにやら容器に入っている
取り出してみると、容器のなかにはボールペン以外にもいろいろ入っている。容器がきんきんに冷えているのは後ほど解決するとして……(笑)。
結露で容器が曇ってきた
容器の中身を確認すると、ボールペンのほかに2Bの鉛筆3本と油性マジックが1本入っていた。
ボールペンだけだと思っていたのでラッキー
なぜか釣りで使うオモリ(?)もふたつ入っていた。文房具とは関係ないようにも思えるが……。
もちろん、オモリもきんきんに冷えている
なぜ自動販売機に文房具が?
自動販売機で文房具を販売しているだけでも謎なのに、なぜか文房具がセットになっているしオモリも入っているし……。気になることが盛りだくさんなので、自動販売機に記してある番号に電話をかけてみた。
「お気軽にご連絡ください」って書いてあるから電話してもいいよね?
すると、自動販売機の設置主が判明。この自動販売機の裏にある「松本事務機 株式会社」であることが分かった。善は急げと取材を申し込むと、快く対応してくれることに。感謝。
松本事務機に突撃!
取材に対応してくれたのは、松本事務機の取締役で営業部長の氣田俊之(けた・としゆき)さんと、営業部・経営企画室室長の松本純弥(まつもと・じゅんや)さん。
氣田さん(左)と松本さん(右)。よろしくお願いします!
気になることはたくさんあるが、まずは松本事務機がどういう会社なのか聞いてみた。
松本事務機はおもに事務機器やOA機器を取り扱っている会社です。あとはデスクやイスのレイアウトなどといった事務所づくりも請け負っております。昭和60(1985)年に設立してるので、もう35年になります。
仙台の事務機器やOA機器、事務所移転なら「松本事務機」へ
——どうして文房具の自動販売機を設置しているんですか。
あれは松本事務機の「看板」みたいな位置付けで設置しました。遊び心みたいなものですよ。自動販売機に文房具が入ってたら「なんだこれは?」って立ち止まって見ていただけるかなと。ですので、あれで収益を生もうとは考えてないんです。
広告塔としての役割も担っているのでカラフルなデザインを採用
2018(平成30)年に設置したんですが、設置したときは小・中学生たちが自販機を囲むように足を止めていました。SNSでも「おもしろい自販機がある!」って少しだけ話題にもなったんです。
——子どもはよろこびそうですね。
でも、ご購入いただくのは意外にも大人のかたなんです。近くに小学校や中学校があるので、お子さんなのかなって思ってたんですが……。
——ちなみに、看板効果はありましたか?
そうですね。会社の場所を説明するときなどに、「なんか変な自販機があるところでしょ(笑)?」って。自販機のおかげで覚えていただくこともあるので、看板効果はすごくあったんじゃないかと思います。
なぜ容器に? なぜオモリも?
設置している理由や購買層は分かった。しかし、なぜその他のオマケやオモリが入っているのだろう。
なかには、選んでいただいた商品しか入っていないものもあります。そして、オモリが入っているのは理由がありまして……。
——ワケがあったんですね。
そうなんです。いろいろ試行錯誤した結果、自動販売機の構造上、ボタンを押したときに商品の重さが200グラムほどないと落ちないんです。なので、オマケや10号(37.5グラム)のオモリをふたつ入れて重さを調整しています。
確かに「10」って書いてある
——それでボトルにいろいろ入れているわけですね。
おっしゃる通りです。じつはあの容器を探すのが結構大変で、太すぎると途中で詰まったり柔らかいと落ちた衝撃でフタが取れたり。いろいろなお店をまわって探しました。
——容器はもちろんですが、ボールペン以外にもいろいろ入っててうれしかったです。
せっかくなので、選んでいただいた商品以外にも文房具を入れてお得感を味わっていただきたいなとセットにしております。
油性ペンは「極細」と「細字」のツインタイプで実用性もばっちり
容器に入っていた紙にも書いてあるんですが、このボトルをお返しいただいたら、文房具をひとつプレゼントさせていただいています。
「このボトルをきれいに返してくれたら、文房具と交換するっちゃ」
ボールペンや蛍光ペン、ピンバッジなどと交換してもらえる
筆者はふせんと交換してもらった
——じゃあ、玄関から入って声をかければいいんですね。
お店ではないので少し入りにくいかもしれませんが、お気軽にお入りいただければと思います。
もうひとつ文房具がほしい人は臆せず声をかけるべし!
——そういえば、ボトルを取り出したとき全体的にひんや〜りしました。
そうなんです(笑)。ドリンク用の自動販売機なので、常温はなくてクールとホットしか設定できないんです。
見た目にも冷たそうなのが伝わってくる
——だからきんきんに冷えてたんですね(笑)。2年ほど前に設置したということですが、商品は定期的に変わるんですか。
シーズンごとなので、年に4〜5回くらいは入れ替えてます。次は梅雨が明けるくらいに入れ替え予定です。
——いままで人気だった商品などはありますか。
ワサビやカラシなどのチューブ入り香辛料をモチーフにした蛍光ペンは人気でしたね。物珍しかったようで、あっという間に売り切れてしまいました。
——逆に、失敗した商品などはありますか。
——ドリンクって、普通にあのドリンクですか。
そうです。売れすぎちゃって、補充するのが大変でした。しかも、売れるとその気になってたくさん仕入れるじゃないですか。でも、売れるものもあれば売れないものもあって。賞味期限があるので、売れないものは社内で飲んで終わり、みたいな感じになってダメでした。
——今後、何か入れてみたい商品などはありますか。
まだまだコロナが収束していないので、ステイホームに楽しめるような雑貨とかを考えてます。暗い話題も多いので、たとえ買わなくても自動販売機の前を通ったときに見ただけで楽しくなるような商品があったらラインナップに追加したいですね。
自動販売機とはいえ、ただの自動販売機ではない。容器に入っていたりオマケがついていたり、心をくすぐる粋な仕掛けが詰まった文房具の自動販売機。近くを通ったときは、ぜひチェックしてみて。
自販機じたいも販売しているので、気になる・置いてみたいとという事業者などは松本事務機にご連絡を。
\この記事も読まれてます/
『松本事務機 株式会社』
・住所:宮城県仙台市宮城野区幸町2-11-23
・TEL:022-299-8181
『ホームページ』
この記事を書いた人
幸谷亮
仙台が大好きすぎて「だてらぼ」を立ち上げたひと。雑誌編集部→雑誌編集部→2016年に独立。雑誌編集部時代に身につけた取材力を武器に、みなさんの気になるネタを全容解明します。
関連記事