仙台初売り恒例!「お茶の井ヶ田」の茶箱の中身を並んだ人に密着して見せてもらった
2020年も大いに盛り上がった「仙台初売り」。
とくに盛り上がりを見せたのは、豪華景品入り茶箱でおなじみの「お茶の井ヶ田 一番町本店」だ。
中には、お目当ての「ご祝儀茶箱」をゲットするため、2020(令和2)年1月2日の7時のオープンに向け、2019(令和元)年12月30日の18時から並ぶツワモノもいるほどだった。時間にして61時間。じつに3泊4日の闘いである。
彼らはなぜそこまでして並ぶのか——そんな疑問を解決するため、だてらぼ取材班は年の瀬を迎えた「お茶の井ヶ田 一番町本店」に向かった。
仙台初売りだけ特例!?
仙台の初売りは、とにかくすごい。違う言い方をすると、“特殊”である。
一般的な初売りの場合、いつもより大幅に値引きされていたり、福袋でお得にたくさんの商品をゲットできたりといったところだろう。
仙台初売りにおいてはそんなの当たり前。それにプラスαで豪華景品をゲットできるのだ。すごい。
先に中身をかんたんに紹介すると、電化製品にはじまり、お茶の井ヶ田が製造・販売するスキンケアアイテム、お菓子、お茶などが特性の茶箱にたんまりと入っている。
大きいサイズほど豪華な景品が入っていて、「大」は100個中の数個だけ。結果、3日も前から並ぶ人がいるのだ。
普通、消費者庁が定める「景品表示法の景品規制の概要」によると、購入者に対して景品類を提供するとなると、取引金額が1000円未満の場合、景品類の最高額は200円、1000円以上の場合は最高額が10分の2という規制がある。
これに当てはめると、「買った商品以外に豪華景品をゲットできる」という仙台初売りの慣例は、この規制に引っかかってしまう。しかし、仙台初売りは江戸時代から続く商習慣ということで、景品規制の特例が認められているのだ。
つまり、仙台初売りは豪華な景品をつけてもOKということ。理解できたかな?
そんな仙台初売りの中でも、とりわけ景品が豪華なのが「お茶の井ヶ田 一番町本店」で、毎年メディアがこぞって取り上げるほど注目なのだ。
いざ、お茶の井ヶ田へ!
時刻は12月30日の17時40分ころ。お茶の井ヶ田では、毎年激化する陣取り合戦に向け、並びはじめられる日時を事前に告知している。
お茶の井ヶ田が提示した30日の18時前にもかかわらず、周辺にはこれから並ぶであろう人たちが待機していた。
解禁される18時になると、周辺で待機していた10数人がいっせいに並びはじめた。まじか。
事前のリサーチで、「テントで1月2日まで過ごす」という情報をゲットしていたので、すぐにテントが張られるのかと思ったらそんなことはなく……。
20分が経過しても動きがないので、次の取材に向けていったん退散。取材が終わり、再度、戻ったらテントが張られていた。
テントきたーーーー😳 pic.twitter.com/Ex7vKDcn7E
— つきの萩子@仙台ライター (@hagiko_tkn) December 30, 2019
のちほど、並んでいるひとりに聞いてみたところ、「前に並んでいる人たちから19時半くらいに順番にテントが張られはじめた」とのこと。おそらく、この日は「お茶の井ヶ田 一番町本店」も営業していたので、客に迷惑がかからないよう19時の閉店を待ったのかもしれない。ちなみに、このじてんでテントの数はおよそ10張だった。
忘れてならないのは、冬の寒さが厳しい12月30日であるということ。この時間の一番町の気温は2度で、いくらアーケード内とはいえ少し外にいるだけでも凍えるほど寒かった。
あまりの寒さにいったん退散。その後、24時ころに再度訪れたときは、もう1組増えていた。
昼間はテントを片付ける!?
一夜を過ごした彼らの元へ行ってみると、ある意外な事実が発覚。初売りがスタートする2日7時までテントを張って過ごすのかと思ったら、テントが片付けられていたのだ。なんで?
おそらくこういう理由だ。31日もお茶の井ヶ田をはじめ周辺の店舗は普通に営業している。ゆえに、ほかの店舗や客に迷惑がかからないように営業している時間帯はテントを片付けるのだろう。
並んでる人に突撃インタビュー!
これが功奏し、並んでいるひとりにインタビューすることに成功。並んだきっかけや目的などを聞いた。
——いつから並んでますか?
——確かに。我慢できない人たちが並びはじめちゃいましたね。並んだきっかけは?
——ご両親はどちらに?
——じゃ、そのあとは一緒に並ぶ?
——お目当ての茶箱はゲットできそうですね。
——さっき雪がちらついていましたが、寒さ対策は?
——昨日(30日の夜)は眠れましたか?
——まだ31日の15時ですが、この後、どうやって時間を過ごしますか。
——2日の朝7時までどうやって寒さをしのぎますか?
——今、何を食べたいですか?
——食事はどうしてるんですか?
——トイレってどうしてるんですか?
——見てると、ほかの人は場所を取るだけ取って、結構自由に行動してましたね。
個人的な感想だが、今本さんのように真っ当に並んでいる人がいる一方、場所取りだけしてかなり自由に行動している人が多く、この辺は主催側できちんとルールを作ってやるべきだと感じた。
20時ころにテントが立てられはじめていたが、この後はテントが目立って増える様子はなかった。
現在のテントは11個。昨日より1個増えた☺️ pic.twitter.com/LBc8CV8Ll7
— つきの萩子@仙台ライター (@hagiko_tkn) December 31, 2019
テントで年越し!
1月1日。年を越して15時ころに再度訪れてみると、いままでとは打って変わって昼間でもテントは健在だった。そう、1日はお茶の井ヶ田はもちろん、周辺のほとんどの店舗が休みなので昨夜から引き続きテントが張られているのだ。
その後、21時に訪れたときもテントの数はさほど変わらず、2〜3組が増えたのみ。30日の18時に10数人が並んでから1日の21時までは、そこまで大きな動きはない。
新たに並びはじめた仙台市内の大学院生に話を聞くことができた。が、残念ながら写真撮影はNGとのこと。
——いつから並んでますか?
——どうしてお茶の井ヶ田の初売りに並ぼうと思ったんですか?
——おととしはどういうきっかけで並んだんですか?
——おととしは茶箱をゲットできたんですか?
——そんなに茶箱が魅力?
——声をかける前、パソコンをイジってましたね。
——まさかの修士論文。テントを立てずに寝袋だけですが寒くないですか?
ここで、改めて今本さんにもインタビューを敢行。寒い&お疲れのなか、本当にありがとうございます!
——かれこれ50時間以上並んでますね。後悔はしてませんか?
——昨夜(31日)は眠れましたか?
——今日ご両親とお兄さんが石川から来るとおっしゃってましたね。
——あら。なんて声をかけられました?
——そういえば、ここで2晩を過ごしましたがシャワーはどうしてるんですか?
2日の0時を過ぎると、少しずつ列にも動きが出はじめ、深夜1時30分にはおよそ20組くらいが並んでいた。
このへんでいったん退散し、7時の初売りスタートまで体力を温存することに。
仙台初売りの目玉! お茶の井ヶ田の茶箱の中身を大公開
ときは1月2日。だてらぼ取材班がお茶の井ヶ田前に到着したのは6時30分。すでに100人ほどが長い列を作るとともに、多くの報道陣がスタンバイしていた。
プレス陣がスタンバイ中#仙台初売り#お茶の井ヶ田 pic.twitter.com/PY9yGPHYOS
— 幸谷亮 │ 編集者・ライター │ 東京 (@writer_kouya) January 1, 2020
大勢が見守るなか、7時を迎えるとお茶の井ヶ田の初売りの幕が開けた。12月30日の18時からかぞえると、じつに4日目の出来事である。
先頭から順番に茶箱を受け取ると、ここからは報道陣の取材合戦(と、それに群がる人、人、人!)。
石川県からご両親とお兄さんが来仙していた今本さんは、先頭からかぞえて15番目。何度もいうが、30日の18時にお茶の井ヶ田前に来ていたにもかかわらずだ。
最激戦区であるお茶の井ヶ田の初売りで先頭を勝ち取るには、少しくらいの図々しさが必要である。約束の30日18時を前にしてちゃっかり並んでいた人を皮肉るわけではないが、そう思わずにはいられない結果となってしまった。残念。
いよいよ今本さんの番。緊張の瞬間である。
今本さんがゲットした茶箱は、大・中・小3サイズのうちの「中」。大は数個しかなかったようで、15番目の今本さんでも「中」なのだ。
繰り返しになるが、これはあくまでも1万円以上の商品を買ったことで付いてきた景品(ご祝儀)だ。ちなみに、今本さんは1万円分の商品券を買い、その商品券でこのあと、ご家族で食事に行く予定だそう。どんだけいい息子さんなんだ。えらすぎるぞ。
いよいよ開封の儀。今本さんのご好意により、中身をひとつずつ拝見させていただく……はずだったが、ほかのメディアの取材があるということで、同じく茶箱(中)をゲットした人から後日画像をいただいた。感謝。
気になる茶箱(中)の中身は……
<電化製品>
・タイガー電気ケトル
<お菓子系>
・やわらかずんだクッキー
・伊達おかき(ほたて)
・伊達おかき(薫わさび)
・杜のみるく饅頭
<お茶系>
・井ヶ田の抹茶入り玄米茶100g×2
・井ヶ田の一号くきほうじ茶100g×2
・井ヶ田のせん茶100g
・深むし煎茶二号粟ヶ岳(100g)
<スキンケア系>
・茶結肌 ローション
・茶結肌 エッセンス
・茶結肌 ジェルクリーム
正直、個人的には“豪華”電化製品が入っていると思っていたので電気ケトルの肩透かし感は否めない。
が、スキンケア系だけでも総額1万円ほどなので、これだけで購入金額と同等の価値がある。そのほか、お菓子やお茶などもたんまり入っているだけでなく、プレミアムな茶箱もゲットできるので、これが景品と考えるとかなりのお得度である。
さらに取材を続けると、先ほどの顔出しNG大学院生に遭遇。茶箱の「小」をゲットした彼に中身を確認させてもらった。
いざ、オープン!
「中」では電気ケトルだったが、どうやら「小」になるとキッチンタイマーが入っているよう。そのほかの商品にほとんど変わりはないが、「中」だと2個入っていたのが「小」だと1個になった感じだ。
同じく茶箱の「小」を手に入れた女性を発見。取材を申し込むと快く応じてくれた。女神。
ふなさんは1日の23時前から、8時間ほど並んで「小」の茶箱をゲット。整理番号は42番だ。仙台出身ではないが、現在仙台市内に住んでいるということで、「一番有名なところに並んでおこうかな」という理由で、今年はじめて挑戦したそう。
さっそく茶箱の中身を見せてもらうと……
気になる「大」の電化製品は、タイガーの電動ポットだったよう。
筆者はどうしても中身の価値にばかり目がいってしまう。もちろん、これらが景品としてもらえるのでお得感は満載だが、それだけではないのが仙台の、そしてお茶の井ヶ田の初売りの醍醐味である。
仙台初売り恒例の「茶箱をもらった」という達成感や、年末年始の風物詩的なイベントとして楽しんでいる人が多い印象だ。我こそはというかたは、2021年の初売りでぜひチャレンジしてみては。
住所:宮城県仙台市青葉区一番町3丁目8−11
TEL:022-261-1351
営業時間:10時〜19時30分(ラストオーダー 19時)
お茶の井ヶ田ホームページ
この記事を書いた人
つきの萩子
東京の雑誌編集部で3年働いたのち、仙台と萩の月とほやが好きすぎてUターン。まだまだ知られていない仙台のディープなネタを発掘します。