【怖い?】仙台大観音ってどんなところ?アクセスや高さは?胎内を徹底リポート

2019.06.07

SNSを中心に、しばしば話題になる仙台大観音。

あるTwitterユーザーが投稿した仙台大観音のツイートには、6万以上の「リツイート」と17万を超える「いいね」が集まるほど話題を呼んだ。

仙台大観音の画像

仙台市民にとってはおなじみの「仙台大観音」

住宅の隙間からひょっこり姿を現わすそのさまに、「怖い」「この世の終わり感がすごい」「合成みたい」「ラスボス感が半端ない」などといった多くのリプライが飛んでいた。わかる。

仙台市民の間では、通称「観音様」として知られているのは周知の通り。極端にいえば、どこにいても仙台大観音が見えるほどの大きさゆえ、その存在を知らない人はいないはずである。みんな、知ってるよね?

仙台大観音の画像

住宅の隙間からこんにちは

しかし、その認知度とは一方で、「観音様って、ぶっちゃけ何?」「参拝したことない」「え、観音様の内部に入れるの?」という仙台市民も珍しくない。みんな、もっと興味持とう?

そこで、1991(平成3)年に創建されてからおよそ30年のときを経て、仙台大観音の全貌を明らかにしようと思う。

仙台大観音へのアクセスは?

仙台大観音が位置するのは、仙台駅から8kmほどもある仙台市泉区実沢中山南。決してアクセスがいいとは言えず、仙台駅から公共交通機関を利用して足を運ぶとなると、バスに40分ほど揺られる必要がある。

仙台大観音のバス停の画像

バスでのアクセスをご紹介!

まずは、仙台駅西口バスプールの「14番」乗り場を目指す。1階からは行きづらい場所にあるので、仙台駅2階のペデストリアンデッキから向かうのがおすすめだ。

仙台大観音のバス停の画像

ロフトの向かいにあるので、迷ったらロフトを目指そう

仙台大観音のアクセス画像

仙台市地下鉄のエレベーター横の階段を降りる

仙台大観音のバス停の画像

仙台大観音へのバス停は赤丸をしたところ

しかし、ここで安心してはダメ。仙台のバスはとても複雑で、同じバス乗り場でも系統によっては見当違いの場所に行ってしまうのだ。

仙台大観音までのアクセス画像

乗るバスにも注意!

仙台駅西口バスターミナルから仙台大観音までは、910系統の「泉ビレジ行き」か815系統の「北中山・西中山(山手町経由)行き」、もしくは825系統の「北中山・西中山(北山トンネル経由)行き」に乗らないといけない。

仙台駅から仙台大観音までのバス時刻表の画像

【平日】昼間なら1時間に4本くらいはある

仙台駅から仙台大観音までのバス時刻表の画像

【土曜・休日】同じく1時間に4本くらいはある

仙台駅から仙台大観音までのバスの画像

筆者は910系統「泉ビレジ行き」のバスに乗車した

バスに乗ること40分。仙台大観音の最寄りのバス停である「仙台大観音前」に到着した。仙台大観音までは徒歩1分ほどの場所で、運賃は400円。

仙台大観音前のバス停の画像

仙台大観音の目の前まで連れていってくれる

仙台大観音の入り口の画像

バスを降りたら、近くの信号を仙台大観音側にわたって入り口を目指す

仙台大観音前から仙台駅行きのバス時刻表の画像

仙台大観音前から仙台駅行きのバスも、1時間に2〜5本くらいある

いよいよ仙台大観音へレッツゴー

仙台大観音を語るうえで忘れてならないのが、その大きさである。隣接する仙台ヒルズホテルは地上13階建てだが、それをはるかに超える大きさだ。

観音様の夜の画像

夜だとラスボス感が増す……怖い……

仙台ヒルズホテル11階からみた画像

仙台ヒルズホテルの11階から見ると腰あたりの高さ

仙台大観音をベランダから見た画像

仙台ヒルズホテル11階のベランダから見たらこんな感じ。とにかくでかい!

大きさが伝わったところで、さっそく仙台大観音のある大観密寺へ、いざ出陣である〜!

案内してくれたのは、「大観密寺」の執事・相田俊幸(あいた・としゆき)さん。

相田執事の画像

相田さん、よろしくお願いします!

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
近くで見ると、よけいに大きいですね。高さとしては日本一になるんですか?
観音様を真下から撮影した画像

真下から見るとこんな感じ。カメラに収めるのもひと苦労

執事:相田さん
執事:相田さん
仙台大観音の大きさは地上100メートルあります。観音像としては日本一なんですが、大仏というくくりにすると茨城県牛久市にある「牛久大仏」が120メートル。ですので、日本で2番目に大きい仏像になります。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
こんなに大きいのに日本で2番目なんですね。ちょうど100メートルってキリがいいですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
仙台市制100周年を記念して高さを100メートルとしたそうです。
観音様の顔画像

「仙台市が誕生したのが1889(明治22)年で、ワシが創建されたのは1991(平成3)年じゃぞぉ〜」

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
相田さん!
執事:相田さん
執事:相田さん
なんでしょうか?
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
さっきから「したみたい」とか「したそう」とか。なんか他人行儀すぎませんか?
執事:相田さん
執事:相田さん
観音様を創建したのは、私どもではないんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
じゃ〜、誰がこんな巨大な観音様を?
執事:相田さん
執事:相田さん
もうご他界なさっておりますが、開発事業をなさっておられた方なんですよ。
観音様創建者の画像

観音様の胎内にある創健者の画像

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
お寺とは関係ない方なんですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
自身が成功を納めたのは観音様のおかげと信じ、世界平和と人々の所願成就を祈念して仙台大観音を創建されたそうです。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
規模がハンパじゃないですね。すごい。
執事:相田さん
執事:相田さん
創建当時はその方の会社で管理していたそうなんですが、創建からおよそ10年後にあたる2002(平成14)年に宗教法人である寺にすべて寄付された、といういきさつがあるんです。
境内にある立て札の画像

「一人の熱心なご信徒様が観音様に日々祈りを捧げて事業を行い、この中山の地を開拓」

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
そういうことだったんですね。誤解してすみませんでした。
執事:相田さん
執事:相田さん
いえいえ。仙台市を見守ってほしいという意味を込め、観音様は仙台駅の方向を向いているんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
仙台大観音には、創健者の方の仙台市への思いが詰まってるんですね。

仙台大観音のなかに潜入!

執事:相田さん
執事:相田さん
さっそく観音様の中をご案内しますね。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
よろしくお願いします。
入り口の龍の口

龍の口が入り口になっている

執事:相田さん
執事:相田さん
観音様へは、足元にあるこの龍の口からお入りいただけます。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
参拝料は500円なんですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
ご参拝(境内)は無料なんですが、胎内にお入りになる場合、高校生以上の方はおひとりあたりお札料として500円を納めていただいております。
500円の画像

あくまでもお礼(守護礼)として、ね?

観音様の断面画像

観音様の中は12層(階)になっている

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
参拝料も納めましたし、エレベーターで展望台のある12階までいきましょうか?
執事:相田さん
執事:相田さん
いえいえ、本来は、階段を使って下から上るのが正しいお参りのしかたなんです。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
エレベーターで上まで行って、階段で降りてきちゃダメなんですか?
執事:相田さん
執事:相田さん
ダメではないんですが……。受付を終えると2階には三十三観音や十二神将(しんしょう)があります。そして、観音様の胎内には108体の仏像が設置されているんです。この108というのはなんの数かわかりますか?
入り口近くにある三十三観音

受付を終えると現れる三十三観音像

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
煩悩ですよね?
執事:相田さん
執事:相田さん
正解です。難しいことは省略しますが、この108体の仏像は仏様の世界を表した順番に設置されていて、上にいけばいくほど仏の教えである“悟りの世界”に近づくようになっています。ですので、煩悩を1つひとつ打ち払いながら下から上っていくのが本来の参拝方法なんです。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
よくわかりませんが、下から行けばいいんですね。
仙台大観音の参拝方法

「百八体の佛を拝し煩悩を一つ一つ打ち払いながら佛の教えである悟りに近づいていただきたいと願っております」

階段の画像

相田さんの指示に従い、階段で上っていくことに

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
階段の踊り場に“きんさんぎんさん”の手形がありますが、これはなんですか?
金さん銀さんの画像

とつじょ現れたきんさんぎんさんの手形

執事:相田さん
執事:相田さん
仙台大観音が創建されてから数年がたったころにきんさんぎんさんがいらっしゃって、お寺で長寿のご祈願をされたみたいですね。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
著名な方もいらっしゃってるんですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
創建当時は1日に何万人もの方がいらっしゃったみたいですからね。なかには、そういった方も多くいらっしゃったと思いますよ。
108胎内仏の画像

仙台大観音の胎内には、柱を囲むように胎内仏が設置されている

執事:相田さん
執事:相田さん
ようやく9階くらいまで来ましたね。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
上るのに精一杯でしたが、観音様の胎内ってなんかきれいですね。
螺旋階段の画像

階段に明かりが灯されて幻想的

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
なんか、心が洗われる感じがします。
執事:相田さん
執事:相田さん
それはなによりです。わたしもお聞きした話ですが、108体の仏像が一堂に集まっているお寺って全国的にも珍しいらしいですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
普通はどれくらいなんですか?
執事:相田さん
執事:相田さん
3体とかそれくらいと聞いたことがあります。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
大きさが話題になることはありますが、じつはそういった一面もあったんですね。そういえば相田さん、階段の水色の部分が細くなってる気がするんですが?
階段の画像

3階だとこれくらい

階段の水の部分

9階になるとこれくらい。下の階よりも細くなっているのが分かる

執事:相田さん
執事:相田さん
これは水が通っている様子を表してるんです。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
水……ですか?
執事:相田さん
執事:相田さん
「知恵の水」といって、仙台大観音は左手に水瓶(すいびょう)を持っているんですよ。
観音様の左手の画像

仙台大観音が左手に持っている水瓶。この水瓶は直径が2メートルで長さが8メートル。67トンの水が入る

執事:相田さん
執事:相田さん
水瓶を傾けることで「知恵の水」を市民に注ぎ、知恵を授けているんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
上から流れていってる様子を表してたんですね。

仙台大観音の12階に到着

執事:相田さん
執事:相田さん
ようやく12階まで上ってきましたね。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
これはなんですか?
ご神殿の画像

12階にある御心殿

執事:相田さん
執事:相田さん
ここは御心殿(ごしんでん)といって、観音様の心臓部になっています。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
神聖な場所なんですね。この「お触り布袋さん」っていうのはなんですか?
執事:相田さん
執事:相田さん
健康上、気になっている部分とお触り布袋さんの同じ部分を触ると善くなるんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
夏に向けて脂肪が気になるので、お腹の部分でも触っておこうかしら……(笑)。
お触り布袋さんの画像

お触り布袋さん、よろしくお願いします!

執事:相田さん
執事:相田さん
そういえば、展望窓がまだでしたね。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
階段を上るのに必死すぎて忘れてました。
執事:相田さん
執事:相田さん
晴れていれば仙台市内を一望できますからね。ぜひご覧ください。
展望窓からの画像1

展望窓は全部で4つ。天気が良ければ太平洋を一望することも

大観密寺には縁結びも祀られてる

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
意外とっていったらあれですが、仙台大観音ってみどころがたくさんあるんですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
そうなんですよ!
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
近いからこそ来たことがないという人も多いと思うんですが、絶対にくるべきだと思うんですよね。
執事:相田さん
執事:相田さん
まだ忘れてるところがありますよ?
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
もったいぶらないで早く教えてください(怒)。
執事:相田さん
執事:相田さん
失礼しました。じつは、ここ大観密寺には縁結びの神様も祀られてるんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
脂肪よりもそっちのほうが気になるかもです。イケメン彼氏ください。
執事:相田さん
執事:相田さん
あげられるかわかりませんが、参りましょう。
エレベーターの画像

帰りはエレベーターで地上へぴゅいーん

執事:相田さん
執事:相田さん
こちらが縁結びの「大黒天」です。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
そういえば、さっきありましたね。
縁結びの画像

赤い鳥居がめじるし

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
縁結びまで祈願できるなんて、仙台大観音って最強ですね。
執事:相田さん
執事:相田さん
10代や20代など若い世代の方には、縁結びのほうも人気ですね。縁といっても、恋愛だけでなく仕事の縁も結んでくださるんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
そうなると、世代や性別関係ないですね。さっそく、お参りさせていただきますね。
執事:相田さん
執事:相田さん
どうぞ。
油の画像

とろとろとろ〜っ

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
この水、なんかとろとろしてませんか?
執事:相田さん
執事:相田さん
縁結びでは珍しい仏様で、普通は水をかけてお参りするんですが、ここでは水でなく油をかけてお参りするんです。
縁結びの画像2

「素敵な王子さまに出会えますように……」

だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
だから、サラダ油が置かれてたんですね(笑)。
執事:相田さん
執事:相田さん
油は粘りっけがあるので、願いがグッと叶うというか。全国からいらっしゃる方も多いんですよ。
だてらぼ編集部
だてらぼ編集部
人気スポットなんですね。
思いが詰まった画像

みんなの思いが込められている

ちなみにこの取材後、新規のクライアントから仕事依頼の問い合わせが5件ほどあった。そのうちの1件は、取材を終えてバスを待っているときに連絡があるなど、この取材の効果であると思わざるを得ないタイミングだった。

仙台大観音はもちろん、縁結びの大黒天も見逃せない大観密寺。まだ行ったことのない人は一度、足を運んでみてはいかがだろうか。

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『仙台大観音(大観密寺)』
・住所:宮城県仙台市泉区実沢字中山南31-36
・TEL:022-278-3331
・営業時間(胎内拝観時間)夏季10時~16時/冬季10~15時30分
・定休日:年中無休
・参拝料:500円
・アクセス:JR「仙台駅」よりタクシーで30分/仙台市英地下鉄「八乙女駅」よりタクシーで15分/東北自動車道仙台宮城ICより泉中央方面へ10分
『ホームページ』

この記事を書いた人

幸谷亮

幸谷亮

仙台が大好きすぎて「だてらぼ」を立ち上げたひと。雑誌編集部→雑誌編集部→2016年に独立。雑誌編集部時代に身につけた取材力を武器に、みなさんの気になるネタを全容解明します。

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