朝なのにラーメン!?仙台の朝ラー発祥の地『伊藤商店』が朝から行列必至!
ラーメンは昼か夜に食べるもの。誰に教わったわけでもないが、子どものころからなんとなくそう思って生きてきた。
しかし、である。仙台にはどうやら「朝ラー」という文化があるようだ。「朝からラーメンとは?」と疑問に感じたものの、確かに夜に食べるより、朝にラーメンを食べて元気いっぱいで1日をはじめるのも悪くはない。
朝ラーとはいったいどんなラーメンなんだろう。というか、そもそも朝ラーってどういう文化なのかしら——さまざまな疑問を抱きながら、仙台における朝ラー文化の開拓者である「伊藤商店」へ向かった。
「伊藤商店」があるのは仙山線「陸前落合駅」から3分
宮城県内と県外に計9店舗を展開する伊藤商店。歴史はこの落合店から始まる。落合店は、仙山線「陸前落合駅」から徒歩3分の場所にある。
道路沿いにあり、駅から来てもわかりやすい。店舗の裏に9台分の駐車場があるので車で来店しても問題ないだろう。

青いのれんが目立つ
さわやかな青いのれんは朝の清々しい空気にぴったりだ。
店内に入ると、朝10時にもかかわらず何人もの客がラーメンを食べていた。

カウンターはソーシャルディスタンスを保った4席

テーブル席は4名掛けがふたつ、2名掛けは写真外の部分も含め4つほど
ダークな木目調で統一されたインテリアはアットホーム感あふれ、実家のような安心感を覚えさせてくれる。

まずは券売機で食券を買う
券売機には「金の中華そば(700円/税込、以下同)」「白の中華そば(750円)」「白の味噌らーめん(800円)」など、さまざまな種類が並ぶ。
いずれもおいしそうだが、ここはやっぱり、7時〜10時限定の「朝ラー(500円)」を頼んでみよう。朝ごはんを食べずにお邪魔したので、肉飯(250円)もオーダーすることに。ふたつ頼んでも750円。この手頃さも朝ラーの醍醐味のひとつかもしれない。

店長の畠山さん
店長の畠山和人(はたけやま・かずひと)さんにお話を伺った。
『伊藤商店』の朝ラーの正体とは……
食券を買って待つこと3〜4分ほどでさっそく朝ラーが運ばれてきた。

トッピングはチャーシュー1枚、のり、ほうれん草、ねぎ、メンマ
—いい匂い! スープは何からお出汁をとっているんですか?


ひと口すすると、染みわたるきりりとしたうまみ!
—これは塩味ですか? それともしょうゆ……? なんか、ほっとする味ですね。


麺は小気味よくすすれるツルツルのちぢれ麺
—ツルツルしてて食べやすい麺でおいしいですね。朝にもちょうど良いです!


ふわとろのチャーシュー!
—チューシュー、とろっとろで噛まずに食べれそう! 豚バラ肉ですか?

取材に来たことを忘れるくらい夢中で平らげる。ちょうどいい量の食べごたえで、これでワンコインは安すぎる。そして、ここで「肉めし」の登場だ。

肉めしはたっぷりのそぼろとネギが乗っかって250円
—なんともおいしそうですね! ばっちり味が染み込んでいるのがわかる見た目です。使っているのは豚ひき肉ですか?

—ねぎと混ぜて食べるとたまらないですね……! 腹ペコの学生さんもよろこびそうです。

そもそも、なぜ「朝ラー」を?
—伊藤商店が仙台における朝ラーの先駆者と聞いています。どのような経緯でお店を始められたんでしょう?


農作業後のラーメン、おいしいだろうなあ
—そんな歴史が! 伊藤社長が仙台で朝ラー需要を掘り起こそうとしたんですね。その頃はずいぶん珍しかったんじゃないでしょうか?

伊藤商店の朝ラーは10時までのメニュー
—朝ラーは朝だけのメニューなんですか?


営業時間は7時〜10時と11時〜15時
—朝ラーは「金の中華そば」と似たような感じでしょうか。


こちらは「金の中華そば(700円)」【画像提供:伊藤商店】
—落合店限定のミニまぐろ丼も気になってたのですが、各店舗ごとの限定メニューがあるんですか?

魅惑的な「ミニまぐろ丼」の文字

朝にラーメンを食べる客とは
—朝ラーメン、どんな客層の方がいらっしゃるんですか?


コロナ対策もばっちり
—スーツで朝にラーメンを!?

—さきほど年代問わずさまざまな方がとおっしゃってましたが、男女比はどれくらいなんでしょうか?

—朝の時間帯のほうがお客さんは来ますか?


土曜は朝でも行列ができるほど人気
—朝7時に、そんなに……!

『伊藤商店』の店長の1日
—畠山さんは、以前はふつうのラーメン店にお勤めだったと聞きました。当時と比べて、現在のお店は勝手が違うところも多いんじゃないでしょうか。

—ここだけの話、朝は何時ごろに起きられるんですか?

—もはや夜!


伊藤商店で働くスタッフは否応なく早寝早起きに
—夜は何時ぐらいにお休みになっていますか?

—健康的な生活ですね!

この日は朝早く起きて取材に向かったので、まさにこの「朝ラー」が朝ごはん。
伊藤商店のラーメンは、すっきりした味わいながら物足りなさは皆無。「朝に食べても胃にもたれにくいすっきりさ」と「ラーメンを食べている満足感」が両立する、絶妙のバランスだった。女性ひとりや年配の方が朝から来店するのもうなづける。
現在、宮城県内はここ落合のほか、泉ヶ丘や仙台新港、富沢、利府、古川、石巻などに全7店舗。そして、福島県や栃木県にも店舗がある。朝ラーの文化が日本中に広がるのも遠い未来ではないだろう。
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・住所:宮城県仙台市青葉区落合1-18-10 クラフトワン1F
・TEL:022-391-5253
・営業時間:【 平日】 7時00分~10時00分、11時00分~15時00分 【土日祝】 7時00分~15時00分
・定休日:水曜日(祝日の際は営業、翌木曜日休み)
・最寄り駅:JR仙山線「陸前落合駅」より徒歩3分
・駐車場:あり(9台)
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この記事を書いた人

タケダ シューコ
仙台を食べ尽くしたい