仙台市宮城野区「麺屋くまがい」のラーメンで鶏の新境地を味わう
ラーメン一杯にもストーリーがあり、唯一無二の魅力がある。創業者やスタッフが研究を重ね、自分の信じるうまさをス—プの一滴、麺の一本にこめ、客に届けるのだ。
今回、とあるラーメンの噂を聞いた。そのラーメン店は「麺屋くまがい」。宮城野区鶴ケ谷に本店を構えるラーメン店だ。県外からも多くの客が足繁く訪れるこの店のこだわりは「鶏」。とにかく鶏のうまみにこだわったラ—メンなのだという。
老若男女が虜になるその「鶏のうまみ」の秘密に迫るため、鶴ケ谷へと向かった。
おいしそうな匂いのあふれるラーメン店
宮城野区鶴ケ谷、きれいに区画整理された住宅街の道路沿いに「麺屋くまがい」はある。

黒を基調にオレンジを配したかっちりとした店構え
駐車場は店舗前に5台と、12台止められる第二駐車場が付近に存在する。

第二駐車場の場所(星マーク)
店舗入り口に近づくとふわっと香る鶏の香り。いわゆる独特な獣臭さではなく、「おいしそうな匂い」。食欲をそそる。

カウンター席は9席

テーブルは計10席
ランチタイムが終わる14時30分頃に伺ったが、学生風から初老の夫婦まで多様な年齢層の客がラーメンを楽しんでいるのが印象的だった。

「鶏そば(700円)」や「塩鶏そば(700円)」「濃厚醤油鶏そば(750円)」など、食券機には「鶏」の字が立ち並ぶ
種類が豊富にあるが、ほとんどのベースは鶏のようだ。

注意書きには各メニューの特徴が書いてある
人気メニューについて、麺屋くまがい鶴ケ谷店・店長の梶川洸也(かじかわ・こうや)さんに伺うことにした。

梶川さん、よろしくお願いします!
——人気のメニューはどれでしょうか?

——それは絶対おいしいですね。そのふたつをお願いします!
麺屋くまがいの一番人気メニュー『特製濃厚鶏塩そば』を食す

つくねまで乗った全乗せラーメン
——“特製”と名がつくだけあって豪華ですね!


スープは「さらさら」と「とろみ」の中間
さっそくスープをすする。これは……! 鶏だしの濃厚なうまみと、まろやかさ、そして、キレのいい塩味が三位一体となった繊細な味……。「まろやか」だけでなければ、「コク」だけでもなく、「キレ」だけでもない。
決してすっきり系ではないながら、重ったるくもない。意外性のある組み合わせではないはずなのに、はじめて味わう感じがした。
——悲鳴をあげそうになるくらいおいしいスープですね……!

——80kg! だからこそこんなに旨みも出るんですね。

歯触りの良いざくざくとした麺
——麺は細麺ですね。アルデンテくらいの噛み心地で、とても歯ごたえがいいです。


味卵はちょうどいい半熟具合
——スープも麺も自家製ときたら、トッピングにもこだわりがありそうですね。

——秒単位!?

——味玉ひとつにもそんなこだわりが……。チャーシューもおいしそうですね。

鶏胸肉チャーシューが2枚と

豚バラチャーシュー1枚がトッピングされている
鶏胸肉のほうはしっとりとしていて、味付けはあっさりながらもコショウが効いてほど良いアクセントに。豚バラはやわらかく食べやすいのに食べ応えがある。どちらも持って帰りたいぐらいおいしい。


そして「つくね」
——ラーメンに鶏つくねって初めてかもしれません。あっさりした味わいなのに物足りなさがゼロでおいしい。歯ごたえもいいですね! つくねも自家製ですか?


手作業で成型したつくね。これだけでも大変 【画像提供:麺屋くまがい】
——「特製」の名のつく商品にしか付かないのも納得のおいしさです。冷凍で販売してほしいくらいです。
麺屋くまがいの人気サイドメニュー『親子鶏めし』のお味やいかに

親子鶏めし(250円)が登場
ここで「親子鶏めし」が登場。小さめのどんぶりに鶏そぼろと小ねぎ、炙られた鶏胸肉と温玉が添えられている。これだけの具材が乗って250円はかなり安い。

完全な温泉卵
——歯ごたえのある鶏肉、しっかり味のついたそぼろ、とろとろの温泉卵が絡み合う。頭の中で描いてた「うまさ」の上を飛び越えていくようなおいしさです。これはさまざまな年齢層の方が喜ぶ味ですね。

美容師がラーメンに「目覚める」
——「麺屋くまがい」ができたのはいつ頃なのでしょうか。

——どこかで修行をつまれてこのお店を作られたんでしょうか?

——えっ、美容師!?


梶川店長も麺屋くまがいのラーメンの味に惚れ、足繁く通っていたひとり
——美容師からラーメン職人とは、ものすごい転身ですね。すごい衝撃だったのでしょうね。

——Twitterを拝見すると、さまざまな土地のラーメンを食べ歩くなどしている様子が見受けられます。やはり、そういうところからインスピレーションを得ているのでしょうか。
18時から夜営業です!
らーめん屋さんも様々で、勉強の為にらーめんの食べ歩きをする人も居ればらーめん以外の料理から学ぶ人もおります。
自分は単純にらーめんが好きなので趣味と実益を兼ねてらーめんの食べ歩きをします。
今回の冷たい讃岐らーめんは過去に食べ歩きした時の経験を基に作りました。 pic.twitter.com/pUdRceePiN— 麺屋くまがい【鶴ヶ谷本店】自家製麺くまがい【吉成店】 (@365ramen) August 4, 2020

18時から夜営業です!
そろそろ東京にらーめんの勉強に行きたくてウズウズしているのですが、お客様や従業員に心配をお掛けする訳にはいかないので通販でガマンしております。
先日食べたこちらの商品がめちゃくちゃ美味しかったです。
今は売り切れ中みたいなので再販したらまたリピします☺︎ pic.twitter.com/Nwiu4M8w6A— 麺屋くまがい【鶴ヶ谷本店】自家製麺くまがい【吉成店】 (@365ramen) September 8, 2020
——定期的に限定メニューを作っていますが、どれくらいのペースでメニューを入れ替えていますか?


2020年の5月にはスープ・油ともに貝だけで作る「貝出汁そば」が限定メニューとして登場 【画像提供:麺屋くまがい】

夏には冷やしメニューも【画像提供:麺屋くまがい】
——ものすごいハイペース。いつきても新鮮な気持ちで楽しめそうです。お店の外に行列への注意看板がありましたが、やはり昼時は行列になりますか。

店内のウェイティングスペース。かなり広く設けられている

入り口付近には「駐車待ち禁止」の立て看板が立ててある

——やはり並ぶのですね……。何時頃だと比較的待たずに食事できますか?

この記事を書きながら、またすぐ食べにいきたくてたまらない。今まで数多くのおいしいラーメンを食べてきたが、ここまで「すぐに会いたい!」という気持ちになるのは初めてのように思う。濃厚でありながら毎日食べてしまえる、不思議なラーメンだ。
一つひとつの素材にインパクトがあるわけではないのだが、それぞれの素材の持ち味に深く向き合うとこんなにも新しい顔を見せるのかと驚いた。これがまさに、創業者の熊谷さんや店長の梶川さんの感じた「ラーメンの力」なのかもしれない。
「鶏・塩系の新境地」ともいうべき一杯をぜひ味わってほしい。
\この記事も読まれてます/
・住所:宮城県仙台市宮城野区鶴ヶ谷1-8-16
・TEL:022-349-4191
・営業時間:11時00分~14時30分/18時00分〜20時30分
・定休日:なし(臨時休業などはTwitterで告知)
・駐車場:有(店前に5台 第二駐車場に12台)
『ツイッター』
この記事を書いた人

タケダ シューコ
仙台を食べ尽くしたい