「安いお店だと引いちゃいます」仙台の“現役パパ活女子”が明かすリアル
一緒に食事やショッピングをする対価として、見ず知らずの男性から金銭を受け取る「パパ活」。
パパ活専用アプリまで登場するなど、「お小遣い稼ぎ」のひとつとして10代や20代前半の女性を中心に人気を得ている。
仙台のパパ活事情を知るため、だてらぼ編集部はパパ活でお小遣い稼ぎをする21歳の夢菜さん(ゆめな・仮名)とコンタクトを取り、パパ活をはじめたきっかけや目的などを聞いた。
仙台のパパ活女子にコンタクト
年の瀬を迎えた12月30日。
清楚系のかわいいワンピース姿で待ち合わせ場所にやってきた夢菜さん。彼女がパパ活をはじめたのは、さかのぼること1〜2年。
秋田県出身の彼女は、小さいころから音楽が好きで、高校卒業後に仙台市内の専門学校に入学。お金に困っていた彼女は、ほんのお小遣い稼ぎのつもりでパパ活をはじめた。
「学生のころってお金がないじゃないですか。で、日雇いのバイトを探していたんですが、なかなか見つからなくって……。あ、パパ活があるじゃん。(服を)脱がないならいいじゃんって。軽い気持ちではじめました」
Twitterでパパ活相手を募集すると、すぐに相手が見つかった。1時間5000円。一緒に食事をするだけで手っ取り早く現金が手に入るパパ活は、学生にはいいお小遣い稼ぎなのかもしれない。
「お小遣いはもらえるし、おいしいご飯も食べらる。普段はガストとかサイゼばっかりなので、自分のお金では食べないようなちょっと高めのご飯をリクエストしています。でも、なかにはケチな人もいて(笑)。やっすい大衆居酒屋みたいなところに連れていかれたときは引きました」
触れられるのも絶対にいや
ここで疑問が浮上する。彼女は本当に食事しかしないのだろうか。本当は追加の金額を提示し、ホテルなどに行っていないのだろうか——。
「私は本当に食事などをするだけ。手をつなぎたくないし、なんなら触られるのも嫌。なかには、『パパ活』っていいながらホテルに行っちゃう女の子もいるので、そういう話をしてくる男性もいますよ。もちろん、DMの段階でお断りしますけど……」
相手の男性は多くが40代〜50代で、なかには結婚して子どもがいる男性もいるという。
「でも、TwitterでDMをしている段階で既婚者って分かってたら会わないようにしています。バレて何かあったら、困るのはこっちですから」
既婚者を避けるだけでなく、危険な目に遭わないようリスク管理も徹底している。
「パルコなどの人目の多い場所で待ち合わせをするのはもちろん、男性の車には絶対に乗りません。あと、狭い路地を避け、広瀬通などなるべく大通りを歩くようにしています」
その結果かどうかは不明だが、パパ活をしていて今まで危ない目に遭ったことはないという。キャバクラなどであれば店が女性を守ってくれるが、パパ活の場合、己の身は己で守らなければならない。
しかし、何度かパパ活をするうちに、「飽きて辞めた」という。いったいなぜだろう。
「飽きたっていうか、そのころはカラオケのバイトもしてたので、そこまでお金に困ることもなくなって。パパ活相手を探すのが面倒なんですよ。『パパ活募集』のツイートを見てDMしてきても、10人にひとり会えればいいくらいですからね」
冷やかしでDMを送ってくる男性も多く、実際に会えるのは1割にも満たないそう。
一度辞めたパパ活を再開
専門学校に通って1年が過ぎたころ、夢菜さんの生活に変化が生じる。退学だ。
「なんか、私が進みたかった業界が男社会で、女性は仕事を回してもらえないっていうか。やっていくのは難しいなって思って学校を辞めちゃいました」
決して裕福な家庭ではなく、専門学校には奨学金を借りて入学した。退学後は定職に就かず国分町でガールズバーのアルバイトをはじめた。しかし、奨学金の返済が彼女の生活を圧迫し、一度辞めたパパ活を再開したという。
「3ヶ月後に9万円の返済があるんです。単純計算、月3万円を捻出しないといけなくて……。それならまたパパ活で稼げばいいやって」
ガールズバーの時給は1500円。週に6日出勤し、多いときで月15〜16万円を稼ぐ。仙台市内でひとり暮らしをしているうえ、この給料では奨学金代の3万円を捻出できないという。その理由を聞き、少し複雑な気持ちになった。
「趣味にお金がかかるんです。ジャニーズと韓国アイドルが好きで、ツアーがあれば大阪や北海道まで行きます。明日も東京ドームでジャニーズのカウントダウンライブがあるんですが、定価の9000円ではチケットが取れなくて……。転売してる人から買ったので6万円とかなんですよ。交通費や宿代もあるので、1回東京に行ったら10万円くらいぶっ飛びます。好きなもののためにはお金がなくても出し惜しみしないタイプなんです」
おそらく、夢菜さんのようにアイドルが好きで、パパ活や水商売に手を出す若い女性も少なくない。
「友だちも結構やってますよ。『夢菜ちゃんがやってるならやってみよ』って感じではじめてましたね。私みたいに“オタク”の友だちに多いかもしれないですね」
パパ活じゃないとダメな理由
Twitterで顔出ししていないのは身バレを防ぐため。食事だけならバレてもいいように思うが、少し後ろめたさを感じる素ぶりを見せながらこう明かしてくれた。
「今日もパパ活相手を募集していたら、『下着を売ってくれ』って連絡があったんです。その場で脱ぐわけじゃないし明日の旅費がどうしても必要だからいいかなって。ただ、待ち合わせの場所とか時間を決めたあと、連絡がつかなくなったんですけどね。冷やかしでした」
そこまでしてお金を稼ぎたいなら、キャバクラや風俗などの水商売をすればいい——そう思う人もいるかもしれないが、彼女には「パパ活」でないとダメな理由があった。
「パパ活だと自分の好きなタイミングで好きな時間にできるじゃないですか。面倒だなって思ったらやめればいいし。あと私、嫌なことは嫌って言っちゃうタイプなんです。お店に属してたらなかなか言えないけど、パパ活なら誰にも迷惑をかけないですからね」
いっけん普通の女の子にしか見えない夢菜さん。でも、話してみると、大人には相談できない金銭的な悩みを抱えていた。この先も危険な目に遭わなければいいのだが……。
この記事を書いた人
つきの萩子
東京の雑誌編集部で3年働いたのち、仙台と萩の月とほやが好きすぎてUターン。まだまだ知られていない仙台のディープなネタを発掘します。