フィギュアが100万円!?ゴジラ好きの店主がいる仙台一番町「G対策本部」に突撃

2019.04.15

一番町四丁目商店街にひっそりと佇む「G対策本部」。ゴジラやウルトラマンなどのフィギュアをはじめとした玩具の専門店だ。所狭しと陳列されたアイテムのなかには1体100万円もするようなレアなアイテムもあって、ファンにとってはまさに楽園のような場所。店内の様子はもちろん、店主のゴジラへの思いなどを徹底リポートする。

一番町四丁目商店街

ここは、一番町四丁目商店街。全長400mほども続くこの商店街には、三越などの大型百貨店から昔ながらのこぢんまりとした店舗まで、じつにさまざまな業態が共存する。そんな一番町四丁目商店街において、ひときわ異彩を放つ店舗がある。ゴジラのマニアでもあり、50年近いコレクターでもあるオーナーが営む「G対策本部」だ——。

いざ、G対策本部へ!

G対策本部は仙台市営地下鉄・南北線「勾当台公園駅」から徒歩2〜3分の場所にある。仙台駅から歩くと15〜20分ほどかかるので、最寄り駅である勾当台公園駅から歩くか、マイカーで行き、近くのコインパーキングにとめて徒歩で行くのがおすすめ。

最寄り駅は仙台市営地下鉄・南北線の「勾当台公園駅」

駅を出たら一番町四丁目商店街(アーケード街)を目指す

「そばの神田」が目印

広瀬通り方面に1分ほど歩くと左に「そばの神田」が見えるので、向かって左側にある小道を入っていく。この小道がまた、秘密基地感があってわくわくする(!)。

狭い通路の端にはカプセルトイ(ガチャガチャ)が並ぶ

小道は人がすれ違うのがやっとくらいの幅。薄暗く、ちょっとしたアンダーグラウンド感に心躍らせていると、「G対策本部」の看板を発見。

ウィンドウには無数のフィギュアがラインナップ

大きいゴジラがお出迎え

いよいよG対策本部の店内に突入!

隙間なく陳列されたフィギュア!

店内は決して広くはないが、ショーウインドウには収まりきらないくらいのフィギュアが隙間なく並べられている。ひとまずはダイジェスト版で店内の様子をレポートしていく。

およそ20〜30センチはあるであろう大サイズのゴジラがズドーン!

またもやゴジラ!

またまたゴジラ!

楽天の選手のフィギュアもラインナップ

ザクの各種フィギュアは1500(税込/以下同)円から

車の玩具もある

エヴァンゲリオンのフィギュアは1000円から

懐かしの「ジャイアントロボ」や「バビル2世」のフィギュアもある

画像では紹介できないくらいのフィギュアが所狭しに陳列されている。ゴジラマニアの店主ということで、ゴジラに関するアイテムだけだと思ったら大間違い。ウルトラマンやガンダム、エヴァンゲリオンなどの各種フィギュアも大量にラインナップしていた。マニアとしては、喉から手が出るほどゲットしたいアイテムばかりのはず。



店主に直撃インタビュー

店主の佐藤昭彦(さとう・あきひこ)さん

まずは、いつ、どういうきっかけで「G対策本部」をたち上げたのか確認すると、「1998(平成10)年だから、もう20年も前のこと。わたしが40歳のころにはじめました」と佐藤さん。ちなみに、「G対策本部」がオープンする以前は、同じ場所で「マルフジ靴店」という靴店を営んでいたそう。

マルフジ靴店時代のショッパー。なにやら怪獣のマスコットが!?

佐藤さん
佐藤さん
マルフジ靴店は1952(昭和27)年に親父がはじめたんですよ。でも、1998(平成10)年に放火されちゃってさ……。死ぬ前に自分の好きなことをやりたいなって思ってね。靴屋を廃業し、『G対策本部』をスタートしたわけよ。

なお、ゴジラを好きになったのは、佐藤さんがまだ小学生のころ。父親にゴジラの映画をみに連れていってもらったことがきっかけだという。

佐藤さん
佐藤さん
当時は街中に住んでたんだけど、自宅に風呂がある家庭なんてあんまりなくてね。銭湯に連れていってもらってたのよ。その時代に情報を得るっていったら銭湯に貼ってあるポスターなんですよ。親父が商売をやってたから、相手してくれるなんて盆と正月くらい。そういうときに銭湯に貼ってあったゴジラの映画をみに連れていってもらったんだよ。

小学生のころに銭湯からもらったポスターが今もG対策本部の壁に貼ってある

佐藤さん
佐藤さん
やっぱりね、ゴジラとウルトラマンとではありがたみがちょっと違うじゃないの。ウルトラマンはテレビのスイッチをつければ見れちゃうけど、ゴジラは保護者同伴のもと、お金を払って映画館じゃないと見れない特別感があるでしょ。そんなわけでゴジラが好きなんだよ。

ゴジラ好きが高じ、こうやってゴジラをメインとしたフィギュア専門店をたち上げた佐藤さん。どんどんアイテムが増え、現在では管理しきれないくらいの数が店舗に並んでいるという。

佐藤さん
佐藤さん
最初は在庫をフロッピーディスクに記録して管理してたんだけど、フロッピーディスクじたいがもう使えなくなっちゃったじゃない。だから、もしアイテム数を聞かれても『ごまんとある』って言ってるよ。カードも販売してるんだけど、1枚を1アイテムと数えるか、1シリーズを1アイテムと数えるかでまた違うからね。詳しい数はもう分からないんだよね。

「ゴジラ博物館」が開館する日は訪れるのだろうか?

もっとも高価なアイテムは100万円!?

佐藤さんは冗談交じりに「ごまんとある」と言っていたが、実際に「五万(巨万)」ほどはあるかもしれない。いかにしてこれだけの数のアイテムを集めたのだろう。

佐藤さん
佐藤さん
自分で買ってきたり問屋から卸したり。あとは、仲間から譲ってもらったりだね。G対策本部っていうのは、仲間の溜まり場みたいなつもりで作ったのさ。たとえば、何か欲しいものがあるときに、『譲ってくれる人を探してます』っていったら譲ったり交換したりできるようにね。でも、震災後はコレクションを手放す仲間が増えたから、いまはたいして成り立たないんだけどね。

“ごまんとある”アイテムのなかで、もっとも高価なものはどれなんだろう?

佐藤さん
佐藤さん
あそこにあるバラモンが一番高価かな。1969年のアイテムなんだけど、ブルマァクから出てるやつで箱もあって、ちゃんと目の部分も光る完動品なんですよ。おそらく100万円くらいはするんじゃないかな。

100万円くらいはするというバラモンのフィギュア

ちなみに、耳の部分が劣化していたりすると、1000円でも売り物にならないこともあるようだ。しかし、これらの価値は値段だけでは決められない——そう佐藤さんは続ける。

佐藤さん
佐藤さん
マニアにとって大事なのは、売るときにナンボだって話じゃないからね。たとえば、小さい消しゴムなんかも置いてるんだけど、こんなの大した値段はしないのよ。でも、1個しか持ってなかったら、50円だろうが100万円だろうが僕たちにとって価値は同じ。どれがお気に入りか聞かれても困るんだよ。僕にとっては全部がお気に入りだから。だから、買っていただいた人には大事にして欲しいですね。

「G対策本部」では店舗での販売はもちろん、通販にも対応している。なかには、熊本や愛媛からのオーダーもあるが、いかんせん佐藤さんひとりですべて対応しているので、まわせる数には限りがあるそう。

熱い思いを話してくれた佐藤さん

佐藤さん
佐藤さん
自宅で発送業務などをするから、ある意味、営業中よりも自宅に帰ってからが仕事みたいなもんだね。その代わり、お店にいるときはのんびりしてるかもしれないね(笑)。

定休日は大晦日と元旦の2日だけ。つまり、年間363日は営業しているのだ。

佐藤さん
佐藤さん
でも、大晦日も家でぼーっとしてられなくてお店に出てきちゃうこともあるんだよ。お金を稼ぐためだけじゃないし、好きでこういうことをやってるからね。

店主の佐藤さんのゴジラ好きが高じてスタートした「G対策本部」。ゴジラストアでは手に入らない超レアな逸品もあるので、ゴジラ好きはもちろん、気になる人はぜひ一度、足を運んでみてはいかがだろうか。

『G対策本部』
・住所:仙台市青葉区一番町4-5-18
・TEL:022-222-3064
・定休日:無休



この記事を書いた人

幸谷亮

幸谷亮

仙台が大好きすぎて「だてらぼ」を立ち上げたひと。雑誌編集部→雑誌編集部→2016年に独立。雑誌編集部時代に身につけた取材力を武器に、みなさんの気になるネタを全容解明します。

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