JAL機内食に選ばれた仙台「ミティーク」のレッドジュエルが店舗販売を開始

2019.09.20

レッドジュエルの俯瞰画像

仙台市青葉区宮町のケーキ店「パティスリーミティーク」が考案したレアチーズケーキ「REDジュエル(以下、レッドジュエル)」が、JAL国内線ファーストクラスの機内食として採用された。河北新報などのメディアで報道され、話題を呼んでいる。

だてらぼでは「パティスリーミティーク」を取材し、レッドジュエルを実食するとともに、いかにしてルビーのような輝きを表現しているのか。気になることをすべて聞いてきた。

「パティスリーミティーク」とは

パティスリーミティークの外観画像

パティスリーミティークの外観

「パティスリーミティーク」は2005(平成17)年にオープンした洋菓子店で、2015(平成27)年には中央通り沿いに2号店となる「カフェミティーク」をオープン。 カフェミティークが考案したアートスムージーが日本テレビ「マツコ会議」で紹介されると、爆発的なアートスムージーブームが巻き起こった。

このほか、アニメ「ワンピース」や、映画「アイネクライネナハトムジーク」とのコラボ企画を実施。そのたびにテレビをはじめとしたメディアにも多く取り上げられるなど、話題が絶えない人気の洋菓子店なのだ。すごい。

「パティスリーミティーク」は仙台駅から徒歩7分

パティスリーミティークは、JR仙台駅の北側約700メートルの場所にある。歩いていってみた。

アエルとパルコの画像

AER(アエル)と仙台PARCO(パルコ)本館の間の道を入っていく

アクセス画像

道なりに進み、国道45号を右折する

アクセス画像2

右折してすぐの信号を北側に向かって渡る。斜向かいには東六番丁児童館、その奥には東六番丁小学校がある

パティスリーミティークの外観画像

仙台駅から歩いて10分足らずで到着。この趣のある店構えを見よ……!

駐車場が併設されていないので仙台駅から徒歩でいくか、近くの100円パーキングに車を止めていくのがおすすめだ。

看板画像

1階がケーキ類を販売するカウンター、2階がカフェスペース

オーナーパティシエ土田さんの画像

オーナーパティシエの土田俊也(つちだ・しゅんや)さん。「お待ちしておりました」

レッドジュエルってどんなケーキ?

レッドジュエルは、JALの新型機AIRBUS A350が2019(令和1)年9月1日より就航する記念として、国内線ファーストクラスの機内食(夕食)で1カ月間提供されている。

提供されているのは、羽田~福岡線、羽田〜伊丹(大阪)線、羽田〜新千歳(札幌)線、羽田〜那覇(沖縄)線の計4便。

期間中、「パティスリーミティーク」「カフェミティーク」ともに店舗でのレッドジュエルを販売する予定はなかった。

しかし今回、だてらぼの取材のために特別にレッドジュエルを用意していただいた。ありがとうございます……!

レッドジュエルの画像

どーん!これがJALのファーストクラスでしか食べられないレッドジュエル

レッドジュエルの俯瞰画像

ジュエル(=宝石)の名にふさわしい輝きっぷり

おわかりいただけるだろうか……この気品あふれるツヤ感と、芸術品のような美しいフォルム。まるでルビーのように輝く赤色は、JALのシンボルカラーに合わせて考案された。

スマホとの比較画像

レッドジュエルは直径約4.5cmのかわいらしいサイズ感が特徴

ピックの画像

ケーキピックには「AIRBUS A350」の文字と飛行機のシルエットイラスト

レッドジュエルをいざ実食

スプーンに乗せた画像

いただきまーす!

蔵王クリームチーズとヨーグルトを合わせたレアチーズの生地が口の中でとろけていく。さっぱりとしたクリームチーズと、ほのかな酸味のフランボワーズソースの相性も抜群である。

手に乗せた画像

うん、とってもお上品な味

底はココア風味のスポンジ生地。ココアと聞いてもう少し苦味のある味を想像していたが、予想に反して苦くはない。ほどよい甘さと酸味が、口の中で絶妙なハーモニーを奏でる。 つまりとてもおいしゅうございました!

レッドジュエルの販売を開始!

レッドジュエルをおいしくいただいたところで、オーナーの土田さんに話を聞いた。

——レッドジュエルは鮮やかな赤色が特徴的です。作る際のこだわりや難しさなどはありますか。

土田さん
土田さん
東京から取り寄せた特別な色素を使っています。普通の色素は粉末状で、それを混ぜて色を出しますが、うちでは違うやり方をしています。
ブルージュエルの画像

レッドジュエルのベースとなったブルージュエル【画像提供:パティスリーミティーク】

——色素自体も、作り方も違うってことでしょうか。

土田さん
土田さん
そうですね。

——わざわざそうしている理由は?

土田さん
土田さん
やっぱりツヤが違うんです。
ブルージュエルのキラキラの画像

ルビーのような輝きにうっとりする

——チーズケーキ部分はさっぱりとした味わいでしたが、どんなことを意識して開発されたのでしょうか。

土田さん
土田さん
「誰からも好まれる味」というのが大きなコンセプトでした。

——甘すぎるのが苦手な人は多いですよね。今後、レッドジュエルをお店で販売する予定はありますか?

土田さん
土田さん
それが、もうすでに販売されているんです。

——河北新報では、「店頭販売はしていないが、お歳暮ギフトなどでの販売は検討中」と報じられていましたが……。

土田さん
土田さん
その予定だったんですが、JAL側から販売の許可が出て販売を開始しました。
レッドジュエルとコーヒーの画像

パティスリーミティークで販売されているという

「パティスリーミティーク」「カフェミティーク」ってどんなお店?

イートインスペースの画像

2階のイートインスペースはゆったりと過ごせる

——パティスリーミティーク、カフェミティークと2店舗ありますが、それぞれについて教えてください。

土田さん
土田さん
ここ、パティスリーミティークは2005(平成17)年にオープンしました。席数は2階のイートインスペースが14席、1階にはカウンターが3席あります。2015(平成27)年にオープンした中央通りのカフェミティークは、席数が22席です。
1階のカウンターの画像

1階の入り口脇にはカウンター席も。本格派のエスプレッソが楽しめる

——インテリアが特徴的ですが、それぞれどんなこだわりがあるのでしょうか。

土田さん
土田さん
ここは落ち着いた雰囲気。カフェミティークは若いお客さまが多いので、若い方にも受け入れられやすいスタイリッシュな内装を意識しました。パティスリーが昭和で、カフェが平成って感じですかね。

——「ミティーク」はフランス語で“神秘的”という意味がありますが、どういった理由で名付けたのでしょうか。

土田さん
土田さん
店の入り口が独特でしょ。“妙”な感じの名前をつけたかったんです。入る瞬間からドキドキ感を味わえるというか。

——確かに。絵本のなかみたいな、別世界に来ちゃった感じがあって素敵ですよね。

ミティークの外観画像

絵本から飛び出してきたみたいな独創的な外観

——とくに人気のケーキを教えてください。

土田さん
土田さん
モンブランですね。季節によって中身が変わるので、いろいろな味が楽しめますよ。

——たとえばどんな味がありますか。

土田さん
土田さん
通常の栗以外に、いちごやマンゴー、抹茶などがあります。

——ほかに、土田オーナーおすすめの商品は?

土田さん
土田さん
子ども達に人気の「チョコクロスケ」です。目がついたチョコケーキで、オープン当初からずっと300円で販売しています。
チョコクロスケの画像

右から2番目が人気の「チョコクロスケ」

——本当だ、目がついてる! かわいいですね。

土田さん
土田さん
ほかにはシュークリームやチーズケーキもおすすめですね。ケーキは常時だいたい18~20種類ラインナップしています。オープン当初からのロングセラー商品、季節商品、アレンジを加えた変わり種商品が3分の1くらいずつ置いてあります。

——ドリンクメニューも豊富ですよね。

土田さん
土田さん
コーヒー、エスプレッソ、カプチーノ、紅茶、ココアなどのドリンクメニューがあります。3Dラテアートも人気がありますね。
——3DラテアートはインスタグラムなどのSNSでも人気ですよね!

ドリンクメニューの画像

良心的な値段がうれしい

土田さん
土田さん
いまは、オール仙台ロケの映画「アイネクライネナハトムジーク」とのコラボ企画として、ケーキやアートスムージーなどのコラボメニューを提供しています。

 

——アートスムージーといえば、“カフェ”ミティークの人気商品ですね。

土田さん
土田さん
いや、アートスムージーは“パティスリー”ミティークでも提供していますよ!こっちで飲めるってみなさん知らないみたいで……。だから穴場なんです。

——それはもっと知っていただきたい情報ですね。ちなみに、アートスムージーの人気の味は何ですか?

土田さん
土田さん
ずんだ味ですね。以前、フランスへ遠征したときにも持っていったものです。
アートスムージーずんだの画像

人気の「アートスムージー ずんだ味」【画像提供:パティスリーミティーク】

——えっ、フランスでずんだを……?反応はどうでしたか。

土田さん
土田さん
「おいしい」とよろこんでくれましたよ。日本の食べ物はフランスでも通用するんだって思いましたね。
焼き菓子の画像

店内では手作りの焼き菓子も販売されている

詰め合わせBOXの画像

詰め合わせBOXもあるのでギフトとして送っても◎

「専門店らしさ」を表現したい

ミティークではJAL機内食への提供のほかにも、さまざまな取り組みを行っている。たとえば、人気アニメ「ワンピース」とのコラボメニュー開発や日本最大級のファッションとデザインの祭典「rooms」展示会への出展。仙台へのインバウンド増のために企画したフランス遠征などだ。

——ほかの洋菓子店と比べても、精力的にさまざまな活動をされています。その原動力はどこにあるのでしょう。

土田さん
土田さん
いま、洋菓子店が次々に閉店しているんです。リーズナブルなコンビニスイーツの価格帯に対抗することができないんですよね。

——安くてわりとおいしいですからね……。

土田さん
土田さん
しかたない面もありますが、思いを込めて作っている職人さんが大勢いるのに、悲しいことです。だからもっとさまざまな切り口で情報発信をして、菓子業界を盛り上げていきたいという思いがあります。
街並みの画像

コンビニスイーツが多様化してきたことで、専門店の地位が危ぶまれている

——レッドジュエルの件も、そのひとつでしょうか。

土田さん
土田さん
そうですね。普通にやっているだけじゃ話題性がないですから。失敗してもいいから、誰かが火をつけないといけない。当たるか外れるかはわからないから、まずはやるだけやってみる、と。

——今後、挑戦したい取り組みはありますか。

土田さん
土田さん
コンビニにはない、“専門店らしさ”が我々の強みだと考えています。それをショーケースの中で表現していきたいですね。
ショーケースの画像

ミティークのショーケース。ケーキの陳列方法にもこだわっているそう

ショーケースの画像2

ミティークを訪れた際は、ショーケースにも注目すべし

ルビーをイメージして作られたレッドジュエル。その輝きはさながら本物の宝石のようで、見る者の心を惹きつけて離さない魅力があった。

当初は、店頭で姿を見ることはできないと報じられていたレッドジュエルだが、現在は店頭で販売しているとのこと。レッドジュエルはもちろん、オーナーが心を込めて作るケーキやSNSで大人気のアートスムージーなど、パティスリーミティークではさまざまな商品が楽しめる。

あなたもぜひ、専門店ならではのおいしさと出逢ってみてはいかがだろうか。

『パティスリーミティーク』
・住所:宮城県仙台市青葉区宮町1-1-69
・TEL:022-227-5851
・営業時間:【月〜金】11時~20時/【土・日・祝】11時~18時
・定休日:不定休(SNSにて告知)
・禁煙/喫煙:完全禁煙
ホームページ

 

『カフェミティーク』
・住所:宮城県仙台市青葉区中央2-4-11 水晶堂ビル3F
・TEL:022-393-7738
・営業時間:【月〜金】11時~20時/【土・日・祝】11時~18時
・定休日:不定休(SNSにて告知)
・禁煙/喫煙:完全禁煙
ホームページ

この記事を書いた人

岩崎尚美

岩崎尚美

仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!

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