天ぷらにしたら全部うまい!? 宮城・仙台の定番の土産7種を天ぷらにしてみた
揚げたての天ぷらは、サクサクしていておいしい。
定番のエビやサツマイモはもちろん、普段はあまり好んで食べないシシトウやレンコンも、天ぷらになったとたんにおいしく感じてしまう。天ぷらは、もはや魔法のような食べ物である。
そこで浮かんだのが、「天ぷらにしたら何でもうまいんじゃないか」という疑問。ということで、宮城・仙台の定番のお土産7種を天ぷらにし、天つゆと塩で食べてみることに。
果たして、天ぷらと相性のいい&悪い宮城・仙台土産はどれなのか。レッツ天ぷらパーリナイト!
天ぷらにした食材は……
用意したのはこちらの宮城・仙台の定番土産たち。じゃじゃーん。
①喜久福(ずんだ生クリーム)
②萩の月
③ずんだ餅
④笹かまぼこ
⑤支倉焼
⑥どら焼き(お餅入り)
⑦モナカ(粒あん)
仙台民なら、食べたことがあるものばかり。すべて宮城・仙台を代表する定番土産である。
トップバッターは「喜久福」
まずは、喜久水庵の食事処でもデザートとして出している喜久福から天ぷらにしてみることに。
待つこと3〜4分。衣がしっかり固まったところで取り出してみると……
すでに商品化されていることもあり、期待を胸に口に運ぶ。感想としては、「普通においしい」。しかし、筆者個人の感想としては、天ぷらにせず普通に食べたほうがおいしい、だった。
理由としては、天ぷらにすることで求肥(ぎゅうひ)のぷにぷにとした食感がなくなり、大福っぽさが損なわれるから。ハードルが上がりすぎていただけで、普通においしいので気になる人はぜひチャレンジを。
・味:★★★★☆
・総評:本家の喜久水庵ですでに商品化しているので、おいしいのは当たり前。でも、そのまま食べても絶品な銘菓なので、筆者はそのまま食べたい派。
仙台銘菓といえば「萩の月」
お次は、仙台民のみならず、全国に多くのファンがいる萩の月。広島銘菓の「もみじまんじゅう」を揚げた「揚げもみじ」のような感じになりそうなので、絶対においしいはずである。
食べてみると、外のカリカリと中のクリームのコントラストが最高にうまい。塩を少しまぶして食べると、より甘さが引き立ってクセになるおいしさである。
・味:★★★☆☆
・総評:おいしいことはおいしいが、広島の「揚げもみじ」ほどのおいしさはない。ハードルが高かっただけに、そのハードルを越えることはできなかった。
未知の領域の「ずんだ餅」
続いては、宮城の郷土菓子として知られるずんだ餅。餅を天ぷらにするという未知の領域に突入である。大丈夫か? 不安になってきた……。
天ぷらにしないでそのまま食べたい衝動にかられながら「ずんだ餅天ぷら」を口に運ぶ。すると、予想に反してめちゃくちゃうまい。
ずんだのいい香りが口のなかに広がるとともに、口のなかでお餅がとろけるようになくなっていく。
「なんか食べたことのある味だな〜」と思ったら、そうだ、これはあられだ。中身がとろっとろになっただけで、味はあられそのもの。その代わりと言ってはなんだが、ずんだの味はほとんどしない。塩をかけたら、まんま「あられ」である。
意外性もあって、まぁまぁ高評価。
・味:★★★★☆
・総評:中身がとろっとろのあられみたいでおいしい。ただ、肝心のずんだっぽさがなくなるのがマイナスポイント。
“あともう一品”に大活躍の「笹かまぼこ」
おかずとしても、おつまみとしても大活躍の笹かまぼこ。同じ練り物系の天ぷらに「ちくわの磯辺揚げ」という大先輩がいるゆえ、笹かまぼこも期待大である。
鍋から取り出すと、笹かまぼこの風味が食欲を刺激してくる。さっそく食べてみると、予想以上においしすぎる。
笹かまぼこに熱が通ったことで、冷やして食べるよりもふわっふわ。さながらはんぺんのような食感である。天つゆをかけて食べたらご飯が進む味なので、おかずとしてもおすすめだ。
ちなみに、のちほどレシピサイトの『クックパッド』で検索してみたら、「かまぼこの天ぷら」のレシピが大量にヒットした。どうやら定番のおかずらしい……。
・味:★★★★★
・総評:天ぷらにするだけで、立派なおかずに大変身。“あともう一品”のおかずではなく、メインとして食卓に並んでも大丈夫。おかずに悩んでいる人は必見。
根強い人気の「支倉焼」
お次は、一つひとつ手づくりにこだわった「支倉焼」。まだまだ全国区の認知度ではないかもしれないが、地元の人からは根強い人気を誇る銘菓である。
筆者も個人的に支倉焼が大好きなので、そのまま食べたい気持ちを抑えて油に投入……。
後悔の念に駆られながら口の中に押し込むと、それはそれはびっくり! 予想に反してめちゃくちゃうまい。
天ぷらにしたことで、支倉焼のおいしさはそのままに、揚げまんじゅうのような味に。塩を振ってから食べると、甘さが際立ってより一層おいしい。普通に食べるより、天ぷらにしたほうが好きかもしれない。商品化してもいいぐらい絶品である。
・味:★★★★★
・総評:普通に食べてもおいしいが、天ぷらにするとそれ以上においしい。仙台のアーケードに出店したら、ひょうたん揚げに続く食べ歩きグルメの仲間入りを果たしそうなレベル。
好きな人も多い仙台名物「どら焼き」
続いては、老若男女問わず人気のどら焼き。これも揚げまんじゅうのような感じがイメージできるので期待大。
思ったよりもおいしそうなビジュアルに、わくわくしながら口の中に運ぶ。揚げたことで生地の部分がふわふわになった一方で、油を吸いすぎてギトギトした感じは否めない。
決して「おいしい」とはいえず、どら焼きはそのまま食べたほうがいいという結論に……。
(ちゃんと最後まで残さず食べました)
・味:★☆☆☆☆
・総評:どら焼きの皮がスポンジのように油を吸収し、ギトギト系の食べ物に……。どら焼きは天ぷらにしないで、そのまま食べましょう(笑)。
最後は「モナカ」でフィニッシュ!
トリを飾るのは、仙台を代表する和菓子のひとつ「モナカ」。どら焼き同様、水分との相性が悪そうだな……と思いながら油にイン。心配や……。
不安を抱きつつ口に運ぶと、カリッとした衣にもちっとしたモナカの皮、とろっとしたあんこがたい焼きのようで意外とおいしい。普通にモナカを食べるよりも好きな味だ。これはハマる。
・味:★★★★☆
・総評:いろいろな食感を楽しめるのと、普通にたい焼きっぽくておいしい。
全部のチャレンジを終えて……
これで7種すべてを天ぷらにする実験は終了。
支倉焼と笹かまぼこは、そのまま食べるよりもおいしいことが分かった。しかし、萩の月やどら焼きなど、油を吸収する系の銘菓はあまり天ぷらにすることはおすすめできず……。
もしチャレンジしてほしい食材があったら、だてらぼまでお問い合わせくださいませ。みなさんに代わって、だてらぼが天ぷらにして食べてみます。
この記事を書いた人
つきの萩子
東京の雑誌編集部で3年働いたのち、仙台と萩の月とほやが好きすぎてUターン。まだまだ知られていない仙台のディープなネタを発掘します。