「カフェ・シアン」は仙台にいながら異国情緒を堪能できる素敵空間
2022.12.13
サンモール一番町のほど近くにある「ボタニカルアイテム&カフェ・シアン」。仙台市内はもちろん、県外からもたくさんのお客が訪れる人気カフェだ。
ボタニカルの名の通り店内の随所には植物が配置され、どこか異国情緒を感じさせる落ち着いた雰囲気が漂う。おまけに、店内を時折”看板猫”が闊歩している――そんな気になる情報満載のカフェ・シアンを取材した。
サンモール一番町南側から徒歩3分
カフェ・シアンの住所は仙台市青葉区一番町1-6-22で、サンモール一番町の南側出口より徒歩3分ほどの場所にある。レンガ装飾のマンション「シャンボール一番町」の1階だ。
サンモール一番町から3分とアクセスも抜群
通りから少し奥に入ったところに入口が。シアン系の扉が目印
中からこちらをじっと見つめる猫ちゃんの姿が…!
猫ちゃんの視線に吸い込まれるように店内に入ると…
カフェ・シアン店内
一歩足を踏み入れた途端、どこか異国に迷い込んだかのような不思議な感覚にとらわれる。控えめにいって、すごく素敵な空間である。
「いらっしゃいませ」。猫ちゃんと仲良しのマネージャー
本日取材にご対応いただくのは、カフェ・シアンのマネージャー阿住未姫(あずみ・みき)さん。阿住さん、よろしくお願いします!
カフェ・シアンのコンセプトは「驚異の部屋」!?
カフェ・シアンは2015(平成27)年10月に今の場所にオープンし、現在8年目となる。運営元は青葉区本町に店舗を構える生花店「Magenta(マジェンタ)」で、店内にもさまざまな植物がディスプレイされている。
――カフェ・シアンのコンセプトについて教えてください。やはり、植物にこだわりが?
生花店が運営するカフェという強みを活かし、植物との共生はテーマのひとつです。ディスプレイして目で楽しんでいただくだけでなく、植物の販売も行っていますし、お好きな植物とドリンク&スイーツをセットにした「ボタニカルセット(1600円、税込※金額変動あり)」というメニューもご用意しています。
植物の販売コーナー。単体での販売価格は、660~770円
――植物とドリンク&スイーツのセットですか、めずらしいですね。
そうですね。植物を気軽に生活に取り入れていただきたいという思いで提供しています。お得な料金設定になっていることもあり、人気メニューのひとつです。ただ、植物はベースとしてありますが、大元のコンセプトはドイツ語の「ヴンダーカンマー」……日本語では「驚異の部屋」と呼ばれるものになります。
――ぶんだーかんまー?
15世紀から18世紀頃にかけてヨーロッパで作られていた、珍品奇品を集めた部屋のことを「ヴンダーカンマー」というんです。扉を開けて入ったら非現実的な世界に浸れるような、そういう世界観を大切にしています。
ヴンダーカンマーは、当時の貴族の間で流行っていたそう
――店舗内の装飾も独特ですが、席ごとにもこだわりを感じます。
コロナ禍ということもあり、ひとり席を増やしたんです。お客さまが退屈しないで空間を楽しめるように、席ごとにもそれぞれテーマを設けてディスプレイを施しています。
現在のテーブル数は12。カウンターを含めた席数は25席
――座る席によっていろいろな世界観を楽しめていいですね! ちなみに、阿住さんのお気に入りの席は?
水槽を置いてある席が「鉱物と苔」をコンセプトにした席で、気に入っています。実は引き出しを開けていただくと中に鉱物標本が入っていて。好奇心のあるかたには見つけられるという仕掛けを施しているんですよ。
ここに座ったら、ぜひ引き出しを開けてみよう
――来店されるお客さんには、どんな人が多いですか?
もともと、30~40代くらいの女性がゆっくり過ごせるカフェというイメージで始めたのですが、実際にはもう少し若い、SNSに精通した世代の女性が多いです。ひとりで来て読書をするなどのんびり過ごしているかたが多く、お仕事をしているかたは少ないですね。
アート、文化の発信の拠点にしたい
取材時(10月下旬)には店内にひときわ目立つディスプレイが
――これはハロウィンの飾り……ではないですよね?
はい。メキシコには死者の日という、日本でいうお盆のような催しがあって。そのイベントを行っています。これは亡くなったご先祖さまをお迎えするための祭壇で、故人の好きだったものを派手に飾るのが特徴のひとつ。日本の厳かな感じとは違い、「こっちの世界も楽しいよ、帰っておいでよ!」みたいな感覚でご先祖さまを呼んで、どんちゃん騒ぎをして送り返すのがメキシコ流の考え方のひとつです。
作家やアーティストとのコラボイベントも多数開催している
こうして異国の文化を広めたり、ギャラリーとして画家さんの絵を飾ったりというイベントを定期的に行っています。アートが好きなので、文化の発信の場にしたいという気持ちで運営しています。
――カフェの運営を始めたきっかけも、そのあたりから?
はい。もともと博物館や美術館が好きで、こういった空間も大好きで。なのでカフェ・シアンは、私の「好き」を詰め込んだ空間なんです。カフェをやろうと思ったときは他にもイメージがありましたが、最終的には1つのコンセプト、世界観に沿ったお店のほうが印象に残るだろうと思ってコンセプトカフェを開くことに決めました。きっと、来店されるお客さまのなかには、一生に1度しか来られない人もいると思います。そういう人の記憶に残るお店にしたいなという気持ちでやっていますね。
――雑貨類も販売しているんですよね。
そうですね。フランスの雑貨や蚤の市で買い付けたアンティーク、ヴィンテージものの雑貨、あとロザリオネックレスなどは常時販売しています。
雑貨類はレジ前に陳列
在仙キャンドル作家の作品も多数販売
メニューのこだわりは「驚きを提供したい」
【画像提供:カフェ・シアン】
――メニューについて教えてください。
ドリンクとスイーツ、フードを提供しています。アルコールも多少取り扱っていますよ。
――店づくり同様、メニューにもこだわりが?
そうですね。提供された瞬間に「わっ!」て驚きがあったり、ストーリーを感じられたりすることを意識しています。コーヒーはビーカーに入れて提供したり、バタフライピーティーはご自身の手で注ぐことでお茶の色が変わるのを実験みたいに楽しんでいただいたりとか。
ビーカーに注がれたコーヒーは、「温度が下がる過程で味が変わるのを楽しんでもらいたい」と阿住さん【画像提供:カフェ・シアン】
コーヒー豆は、東京に旗艦店があるシドニー発のコーヒーロースター「シングル オー(Single O)」から取り寄せています。仙台ではカフェ・シアンを含め、2~3店舗でしか取り扱いがないと思います。浅煎りがメインで、豆本来の味を楽しんでいただけるのが魅力です。
――それぞれ、人気のメニューは?
ドリンクでは、ラベンダーミルクティーが人気です。フランス産のラベンダーのお茶にスチームしたミルクを加えて、自家製のラベンダーシロップを添えたもので、私も好きな味です。
華やかで美しいお茶はドリンクのなかでもとくに人気とのこと【画像提供:カフェ・シアン】
フラワーティーは香りも良く、見た目にも美しいので総じて人気が高いですね。見ているだけで癒されますよ。
――スイーツではいかがでしょう。
定番ものではガトーショコラですね。あと、他のお店ではなかなか出していないであろうブランマンジェも人気です。ミルクプリンが蓋のついた器に入っていて、蓋を開けると林檎コンポートで作ったバラが現れます。
濃厚で甘さ控えめのガトーショコラは定番の人気商品【画像提供:カフェ・シアン】
こちらはブランマンジェ。スイーツはすべて店内で手作りしているという【画像提供:カフェ・シアン】
スイーツは常時6種類ほどを揃えています。半分は期間限定メニューで、時期によって入れ替わります。
ボタニカルカレーはプチデザート付き【画像提供:カフェ・シアン】
フードでは、ボタニカルカレーが人気です。村田町で有機野菜を栽培している「なおきのはたけ」から取り寄せた野菜を、基本的に2種類グリルして乗せています。このほかにも、ラペやマッシュポテト、紫キャベツの酢漬けなど野菜を中心とした惣菜をたくさん乗せているので、このカレーだけで20種類くらいの野菜がとれますよ。
――ちなみに、阿住さんが個人的に好きなメニューは?
オレンジケーキが好きですね。オレンジピールから果汁まで、1個のオレンジを余すところなく使って作るパウンドケーキです。シンプルですが、オレンジをぎゅっと詰めた爽やかな味わいが特徴です。
阿住さんイチオシのオレンジケーキ【画像提供:カフェ・シアン】
ちなみに、スイーツや1100円未満のフード単品でのオーダーや、お客同士のシェアはNGとなっている。ドリンクと一緒にゆったりとティータイムを過ごすべし。
「猫ファーストの喫茶店です」
――カフェ・シアンは「猫のいるカフェ」としても知られていますよね。先ほども、窓越しに目が合ってキュンとしました……。
猫は2匹いて、名前はマタンとニュイといいます。同じ日に生まれたきょうだいで、マタンがお兄ちゃん、ニュイが妹。今、4歳です。2匹はもともと保護猫でした。
店内外に配置されている猫についての注意書き
――「猫ファーストの喫茶店」という注意書きが印象的です。
当店は猫カフェではありませんが、お客さまの膝の上に乗ったり、じゃれついたりすることがあります。猫たちが幸せに過ごせることを一番大切にしています。写真撮影は構いませんが、フラッシュでの撮影はご遠慮いただいています。
寝起きのマタンくん。頭上からちらりとこちらの様子を見ている
ニュイちゃんは阿住さんに抱っこをせがんだり、店内をウロウロしたりと元気いっぱい
12月末まではクリスマスマルシェを開催中
――今後(取材時)の展開について教えてください。
12月28日までクリスマスにちなんだ企画展を開催しています。今年は「冬のサーカス」をテーマにしたノエルのマルシェで、作家さんが手掛けたクリスマスギフトを集めたイベントです。運営元である生花店「Magenta」のリースやスワッグも販売します。旅先でクリスマスイベントに立ち寄ったような気分を味わいに、ぜひ足を運んでみてほしいです。
猫にも会える、仙台にいながら異国の雰囲気も味わえると、1粒で2度も3度もおいしい気持ちになれるカフェ・シアン。電話で予約も受け付けているため、気になった人はぜひふらりと立ち寄ってみてほしい。
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『Botanicalitem&café CYAN(ボタニカルアイテムアンドカフェ・シアン)』
・住所:仙台市青葉区一番町1-6-22シャンボール一番町1階
・TEL:022-302-6881
・営業時間:11時00分~20時00分(L.O.19時00分)
・定休日:木曜日
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この記事を書いた人
岩崎尚美
仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!
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