仙台駅近の隠れ家ブックカフェ「青山文庫」でノスタルジックなひとときを
2020.09.18
【画像提供:青山文庫】
たくさんの本に囲まれ、香り豊かなコーヒーを嗜む――。考えただけで優雅で素敵なひとときではないだろうか。
そんな時間を堪能できる空間が、仙台駅からほど近くの場所にある。その名もブックカフェ「青山文庫」。2016年のオープン以来、連日行列ができるほどの人気店だ。
どこかノスタルジーを抱かせるインテリア、おいしいだけでなく思わずシャッターを切りたくなる個性的なメニューの数々……。「また来たい」と思わせる魅力が、たしかにそこにあった。
青山文庫は仙台駅から徒歩5分ほどの場所にある
青山文庫は、旧さくら野跡地、ドン・キホーテ仙台駅西口本店から愛宕上杉通りを挟んだ向かい側に立つ「Ever‐i中央ビル」の5階にある。
旧さくら野の目の前
G-SHOCK STORE SENDAIや平井スパゲティが入っているビルの5階
趣のある入口が迎えてくれる
いつもかなり混雑しており、取材時(平日15時ごろ)も何組かのお客が写真左手前のベンチで待っていた。
店内はテーブル、カウンター合わせて30席ほど。見事に満席だ
今回は店長の石山彩夏(いしやま・あやか)さんに、青山文庫のコンセプトや人気のメニューなどを伺った。
石山さん、よろしくお願いします!
青山文庫はどんなブックカフェ?
――青山文庫は一般的な“ブックカフェ”とはちょっと違いますよね。
よくあるブックカフェだと、本がメインになっているところが多いですね。一方、青山文庫では一杯一杯ハンドドリップでていねいに淹れたコーヒーをメインとしているので、一般的にイメージされるブックカフェとは少し違うかもしれません。
こだわりのコーヒー【画像提供:青山文庫】
――おいしいコーヒーも、本も楽しめる空間という感じですね。
そうですね。店名にも掲げている「本と珈琲とインクの匂い」をコンセプトにしていて、これまで本に触れたことのない人にもカジュアルに来ていただけるカフェです。カフェに来たついでのような感覚で本を手に取ってもらえればうれしいな、と考えています。
月ごとのおすすめ本を展示している
――店内に本は何冊くらいありますか?
常時3000冊以上あります。文庫本は恋愛やミステリーなどさまざまなジャンルが揃っていて、絵本や文学全集、ビジネス書なども置いていますね。
店内のいたるところに本棚がある
スタバ関連だけでもこれだけの本をラインナップ
窓際のカウンター席にも文庫本がずらり
筆者が通されたテーブルには、「女」をテーマにした本が並んでいた
――この席に置かれているのは、「女」にまつわる本ばかりですね?
テーブルごとにテーマがあるんです。ここなら「女」、そのほか「地球」や「人間・猿」とか。座った席によって変わる本との出会いを楽しんでいただきたい、という趣向ですね。
スタッフに頼めば、ほかの本を持ってきてもらうことも可能
文庫本はすべて100円で販売しています。レンタルについては貸本コーナーを設けていて、50円で2週間の貸し出しが可能です。
気に入った本は購入orレンタルも可能
クラシックな空間が新鮮&懐かしい
――アンティーク調の家具など、個性的なインテリアが目を引きます。
「大人のための空間」を重視しているので、全体的な色味を茶色で統一し、落ち着ける店づくりを心がけています。年配のお客さまは「懐かしい」と、若いお客さまは「おしゃれ」「かわいい」と言ってくださるので、老若男女幅広い層の人に親しまれていますね。
レトロな壁掛け時計がノスタルジックな雰囲気を演出
――古着やグラスなどの販売も行っていますね。
そうですね。どちらも1~2ヶ月ごとに商品の入れ替えを行っています。ほかにもブリキのおもちゃなどの雑貨類や、コーヒー豆の販売もしています。
古着の価格は1000円ほどからとリーズナブル。季節に合わせたラインナップを揃える
店内では、オーナーがこだわって仕入れた商品が販売されている
コーヒー豆はグラム単位で買える
天気で色が変わる!お客さん目線の遊び心にキュン♡
【画像提供:青山文庫】
――青山文庫では、非常に写真映えするクリームソーダが人気ですが、なんと天気で色が変わるそうですね?
そうなんです。クリームソーダって、普通緑色のメロン味を想像しますよね。でも青山文庫では天気や気温によって色が変わるんです。晴れと曇りの日が緑のメロン味、雨の日は赤でいちご味、雪の日は黄色でレモン味、真夏日が青でブルーハワイ、猛暑日がオレンジでマンゴー味になります。
30度を超える真夏日には青いクリームソーダが飲める【画像提供:青山文庫】
クリームソーダだけでなく、スタッフのつなぎや席ごとに置いている本のテーマも変わるんですよ。
青山文庫のスタッフはつなぎを制服として着ている
――どうして天気によって変えようと思ったんでしょう?
元々は、雨の日だけ色を変えていたんです。雨の日って外に出るのが億劫だったり、気持ちが憂鬱になったりしますよね。そんなときに青山文庫に来て「あっ、いつもと違う」とハッピーになっていただけるんじゃないかと。好評だったので、もっとお客さまに喜んでいただこうと、2020年からはよりカラフルにパワーアップしました。
――たしかに、出かける楽しみがひとつ増えそうな気がしますね。それにしても、スタッフがつなぎを着ているカフェは珍しいと思います。
これはコーヒー農園の作業着をイメージした制服なんですよ。通常は茶色か薄いグレーですが、雨の日は赤いつなぎに変わります。
雨の日には、色違いのつなぎを着たスタッフに会いに来ては?【画像提供:青山文庫】
青山文庫の人気メニューを教えてください!
青山文庫は、フードもドリンクも充実したメニューを取り揃えている。どれも個性的で選ぶのに迷ってしまうので、とくに人気のメニューを挙げてもらった。
ドリンクメニューの一例
おすすめは「クリームソーダ」
フードメニュー(オーブン料理)
◎フード部門第1位:煮込シチューライス(850円/税別、以下同)
デミグラスソースと卵、チーズがベストマッチ!【画像提供:青山文庫)】
「煮込シチューライス」はシンプルだけどコクがあって大人気です。
◎フード部門第2位:コンプレット(900円)
ハム・チーズ・卵が揃った王道かつ最強のガレットだ【画像提供:青山文庫】
コンプレットは「コンプリート」という意味で、ガレットの定番スタイルです。ガレットを食べたことのない人は、まずこちらを食べていただきたいですね。
◎フード部門第3位:キャラメルナッツシフォンケーキ(580円)
ふわっふわのシフォンケーキに生クリームやナッツ、キャラメルソースがたっぷりと添えられている
筆者が実際に食べてみたところ、生クリームの甘さが控えめなので見た目よりだいぶ食べやすかった。
一緒に注文したコーヒーとの相性も抜群で、至福のときを堪能できた。
◎ドリンク部門第1位:クリームソーダ(800円)
ソフトクリームを大胆にひっくり返して乗せたような見た目は写真映えバッチリ!【画像提供:青山文庫】
クリームソーダは通年で提供しています。これから寒くなっていきますが、雪の日バージョンもぜひ飲みに来てくださいね。
◎ドリンク部門第2位:青山文庫ブレンド(500円)
定番のブレンド。酸味と苦味のバランスが取れた味を楽しめる【画像提供:青山文庫】
一杯一杯ハンドドリップでていねいにお淹れしています。
◎ドリンク部門第3位:アイスコーヒー(550円)
まるで理科の実験のような器は、2020年からの新スタイル
フラスコにたっぷり入って量も多く、お得感があるのもポイント
氷の入ったビーカーがふたつあるのでどうやって飲むのか戸惑ったが、フラスコから小さなビーカーにコーヒーを注いでストローで飲むのが正解だそう。1杯目を飲みきったら、大きなビーカーから小さなビーカーに氷を移して飲めばOKだ。
熱いコーヒーをコーヒー氷で冷やして飲むため、最後まで薄まらずに飲める
アルコールメニューで大人の時間を満喫
――青山文庫は、アルコールメニューも充実しているんですよね?
はい。最近は焼酎にコーヒー豆を漬け込んだ「大人のアイス珈琲」がイチオシです。ロックはもちろん、カフェらしく牛乳や豆乳で割ったり、フロートを乗せたりといろいろな飲み方で楽しめます。
コーヒーを使ったカクテルもある
――ウイスキーのボトルも並んでいますね。
注文を受けてからお客さまの前でお酒をお作りします。土日だと、昼から飲みにいらっしゃるお客さまも多いですよ。
本格的なウイスキーも楽しめる
空いている時間を狙って立ち寄ってみては?
――先ほど老若男女が来るお店と伺いましたが、今日も実際に幅広い層の人が来店していますね。男女比はどうでしょうか。
若干女性が多いですが、ひとりでいらっしゃる男性も少なくないですね。オープン当初は男性だけで入るのは恥ずかしいとおっしゃる人も多かったのですが、「クラシックで懐かしい雰囲気がいい」と口コミやSNSで広まって、男性のお客さまも増えました。
取材時も、ひとりで来店した男性客の姿が見られた
――人気店なのでいつも混雑しているイメージがあります。比較的空いている時間帯はいつでしょう?
曜日問わず、18時~20時くらいは落ち着いているので、狙い目だと思います。
――青山文庫は、カフェにしては遅くまで営業しているのも特徴ですよね。
そうですね。ラストオーダーが23時で、24時まで営業しています。駅が近いので、終電を待つのにご利用いただくことも多いです。日曜と祝日だけは8時からモーニングを実施していてオープンの時間が早いので、21時閉店としています。
――今後の展開や、新しいメニューについては?
今、夜の時間帯限定のメニューを考え中です。秋から冬にかけて季節限定のメニューも出す予定ですので、楽しみにお待ちいただきたいですね。
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『Cafe 青山文庫 -本と珈琲とインクの匂い-』
・住所:宮城県仙台市青葉区中央2-1-27 Ever‐i中央ビル5F
・TEL:022-209-5115
・営業時間:【月~土】11時00分〜24時00分【日・祝日】8時00分〜21時00分(モーニング8時00分〜11時00分)
『ホームページ』
『インスタ』
この記事を書いた人
岩崎尚美
仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!
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