朝5時オープン!こだわりのハンドドリップコーヒーが飲める「仙台駅前喫茶こまどり」

2022.09.03

JR仙台駅から徒歩5分、AER(アエル)のほど近くにひっそりとたたずむ「仙台駅前喫茶こまどり」。こだわりのドリンクはもちろん、地元宮城の食材をふんだんに使用したフードメニューが魅力の喫茶店だ。オープンのきっかけや、人気のメニューなどについてたっぷりと取材した。

仙台駅チカで好アクセス!こまどりへの行き方

仙台駅地下の喫茶店こまどりの外観

「こまどり」は、アエルの北側100mほどの場所にある。取材時はビル全体が工事中だったため、入り口がややわかりにくかったので少し注意。

仙台駅から近くにある喫茶店こまどりのアクセス

「こまどり」の看板が出ている

階段を降りた先には、「こまどり」ののれんが

さっそく入ってみよう!

喫茶店こまどりの店主店長オーナー

いらっしゃいませ!

迎えてくれたのは、「こまどり」の店主・及川丈太郎(おいかわ・じょうたろう)さん。及川さん、本日はよろしくお願いします!

地元・宮城の食材をふんだんに使用したドリンク・フードが自慢

――「こまどり」はどんな喫茶店ですか?

及川さん
及川さん
もともとこの場所で営業している居酒屋の「Mt.Ash(マウントアッシュ)」さまに間借りするかたちで、2022(令和4)年4月にオープンした喫茶店です。同じ場所で昼は喫茶店、夜は居酒屋として営業しています。「こまどり」という店名も、「小さい間を取る」――つまり間借りから来ています。
喫茶店こまどりの店内

店内の随所に「居酒屋っぽさ」が感じられる

――「こまどり」ではどんなメニューを提供していますか?

及川さん
及川さん
ドリンクとフードメニューがあって、ドリンクはコーヒー・紅茶・日本茶が当店の3本柱です。
こまどりのコーヒーの価格料金

コーヒーは220円〜

及川さん
及川さん
まずはコーヒーから。コーヒー豆は仙台市内にある2か所の自家焙煎店から取り寄せています。定禅寺通の「珈巣多夢(カスタム)」さんからは深煎りのマンデリンとインド、沖野の「リュミヌー珈琲」さんからは中煎りのブラジル、グァテマラ、エチオピアです。どちらもファンの多いお店なので、「あのお店のコーヒーが『こまどり』でも飲める」と知っていただけたらうれしいですね。
こまどりで扱っているコーヒー豆の種類

老舗珈琲店で焙煎した豆を取り揃える

――こまどりブレンドというコーヒーもありますね。

及川さん
及川さん
「珈巣多夢」と「リュミヌー珈琲」の2店舗の豆を混ぜたオリジナルブレンドで、種類としては中深煎りです。味は、インドとブラジルの中間くらいの苦味で、ほのかにフルーティな香りも感じられます。平たく言うと、バランスの取れた飲みやすい味わいですね。
こまどりのオリジナルブレンド豆

2つの店の豆を配合した「こまどりブレンド」

――違うお店の豆をブレンドするのって、めずらしいですよね。

及川さん
及川さん
そうですね、敬遠する焙煎士が多いかもしれません。ですが「珈巣多夢」「リュミヌー珈琲」「こまどり」の店主はみんな顔見知りで、仲が良いんですよ。だからこそ実現した、非常にレアなオリジナルブレンドです。

――紅茶と日本茶にもこだわりが?

及川さん
及川さん
はい。紅茶は、女川町にある紅茶専門店「TEAVER TEAFACTORY(ティーベル ティーファクトリー)」さんから仕入れています。コーヒーが飲めないお客さまにも満足していただけるように、しっかりと種類を取り揃えています。

銘柄ごとのおすすめの飲み方も紹介

及川さん
及川さん
日本茶は緑茶とほうじ茶の2種類です。緑茶は石巻の桃生町で栽培されている「桃生茶」を、ほうじ茶は創業333年の日本茶専門店「芭蕉園茶舗(ばしょうえんちゃほ)」さんで焙煎した茶葉を仕入れています。
喫茶店こまどりで扱っている紅茶

和スイーツとあわせて飲みたい、芭蕉園茶舗のほうじ茶(440円) 【画像提供:こまどり】

――フードの提供もありますね。

及川さん
及川さん
はい。朝5時から食べられる軽食として、4種類のトーストメニューのほか、仙台まころんやティラミスなどのスイーツをご用意しています。また、11時から14時までのランチタイムにはお食事も提供しています。
喫茶店こまどりのデザートメニュー

「仙台まころん(330円)」は紅茶との相性も抜群 【画像提供:こまどり】

及川さん
及川さん
ランチタイムには仕事の休憩中に来店されるお客さまが大半ですから、とにかく早く提供できる体制を整えています。
仙台の喫茶店こまどりのランチメニュー

Mt.Ashとのコラボランチ「牛すじ山椒煮込み丼(1100円)」。ほろほろの国産牛すじ肉が絶品だ 【画像提供:こまどり】

――宮城県産の食材が多く使われているところに、こだわりを感じます。

及川さん
及川さん
はい。仙台駅前という立地柄、観光客をはじめ人が多く集まる場所ですので、地元のおいしいものを食べていただきたいなと。宮城県は「食材王国みやぎ」と謳うほど魅力的な食材が多く揃っている地域ですから、良いものは積極的に使っていきたいと考えたのが最初の動機です。
仙台の喫茶店こまどりのオーナー

「野菜もなるべく県内産を」と考えながら毎朝朝市に仕入れにいくそう

及川さん
及川さん
実際に使ってみると、産地が近いので鮮度がいい、輸送コストが安いなどほかにもいろいろなメリットが見えてきました。地元の生産者さんを応援する意味でも、今後も積極的に県内産の食材を使っていくつもりです。

「こまどり」の人気メニュー紹介!

こまどりのコーヒー

――「こまどり」の人気メニューを教えてください。

及川さん
及川さん
飲み物では、マシーンドリップで提供する「いつものコーヒー(220円)」を筆頭に、コーヒーが人気ですね。コーヒーに次いで人気なのが、「松島サイダー(440円)」です。
こまどりの人気メニュー

レトロ感あふれる瓶が素敵

及川さん
及川さん
いわゆるご当地サイダーで、苺と梅味の2種類があります。特徴は、ひと言で言うと「香りがはじける」。栓を開けた瞬間からみずみずしく香る爽快感をぜひ試してほしいです。

――フード部門ではいかがでしょうか。

及川さん
及川さん
「宮城ずんだバタートースト(660円)」ですね。3枚切りの食パンにずんだバターとバニラアイス、白玉などをトッピングしたトーストメニューです。ずんだバターは、大正13年に仙台で創業した「望月製餡所」さんから仕入れたずんだ餡を当店で加工して作っていて。バニラアイスは蔵王産のものを使っています。
こまどりの人気フードメニュー

仙台市民なら一度は食べておきたい 【画像提供:こまどり】

――味は甘めですか?

及川さん
及川さん
バニラアイスの甘みはがつんと感じられますが、ずんだバターは甘さ控えめに作っているので、見た目よりはすっきりと食べやすい味に仕上がっています。

――では、人気のスイーツは?

及川さん
及川さん
スイーツでは、「ティラミス(330円)」が一番人気です。普通のティラミスと抹茶を使用した「和ティラミス」の2種類がありますが、どちらも開店当初から人気で、「こまどり」の看板メニューですね。
こまどりの人気メニュー

一番人気のティラミス。カステラにエスプレッソを染み込ませ、その上からマスカルポーネチーズをon! 【画像提供:こまどり】

――どれもおいしそうです……! ちなみに、及川さんの個人的なイチオシのメニューは?

及川さん
及川さん
「盛って!盛って!どらやき(660円)」です。お客さま参加型の商品を用意したいと思って考案したもので、どらやきの生地にホイップクリーム、ずんだクリーム、あんこを好きなように盛って食べていただきます。楽しみながら、好きな食べ方を見つけていただきたいですね。
手作りのどら焼き

左の白いものは求肥。もっちりとした食感が◎ 【画像提供:こまどり】

時間帯や曜日によって、さまざまなお客が来店する

仙台駅近の喫茶店こまどりの店内

――「こまどり」は朝5時からオープンしていますよね。喫茶店としてはかなり早い印象がありますが、特別な理由があるのでしょうか。

及川さん
及川さん
そうですね。実際、早朝にいらっしゃるお客さまはそう多くありません。それでも5時から開けているのは、私自身が居酒屋で働いていた経験からなんです。4時くらいまで営業しているような店だと、退店しても始発が出ていないので、時間を潰すのに困るんですよ。それと、当店のすぐ近くに高速バスセンターがありますから、夜行バスで早朝に着く人も少なくない。そういった人たちの受け皿になれればと考えたんです。

――そういうお店が1軒あると助かりますね! 「こまどり」が一番混む時間帯は?

及川さん
及川さん
昼休憩に来店されるお客さまが多いので、12時から13時の間が一番混みますね。満席になることもあります。ゆっくりしたい場合はお昼どきを避けて来店されることをおすすめします。

――どんなお客さんが多いですか?

及川さん
及川さん
平日の昼は、30~40代の女性が多く見受けられます。学生さんなど若いかたも来られますが、土日が多いですね。学校が終わる時間には、お店も閉まっていますから。

広々とした店内でゆったりとした時間を過ごせる

及川さん
及川さん
朝の時間帯は、完全に男女比が半々くらいです。モーニングを召し上がったり、コーヒーを飲みながらタブレットで新聞を読んだりと、出勤前に「整える」時間を過ごしているお客さまが多い印象を受けます。

コロナ禍に生まれた、「こまどり」の間借りシステム

――間借りでの営業を始めるきっかけは?

及川さん
及川さん
「Mt.Ash」を運営している会社の社長とは、以前からの知り合いで。「コロナ禍になり、集客に伸び悩んでいるから何かできないか?」というお話をいただいたのがきっかけです。

――「こまどり」での営業を始める前、及川さんは何を?

及川さん
及川さん
数年前までは、自家焙煎のカフェで店長をしていました。そこが閉店した後はほかの飲食店で働くようになり、一旦コーヒーの世界からは離れていたんです。でもいつかまたカフェや喫茶店の仕事をしたいという思いはずっとあって、アンテナを張り続けていました。

コーヒーの香りがふわりと香る

――そんなタイミングで、「Mt.Ash」から間借りのお話があったと。

及川さん
及川さん
はい。間借り営業なら賃料などの固定費を折半にできますし、すごく良いチャンスだと思いました。

――この場所、仙台駅から近いので、家賃が高そうです。

及川さん
及川さん
そうですね。当店ではハンドドリップコーヒーを提供していますが、実は仙台駅周辺でハンドドリップのコーヒーを飲めるお店はほとんどありません。どうしても賃料が高くなる場所なので、1杯のコーヒーを淹れるのに時間がかかり回転率が落ちるハンドドリップは難しいんですね。ですが間借りならコストを抑えられる分、コーヒーによりこだわるというチャレンジができます。それが、「こまどり」をやってみようと考えた原点です。

今後、新たな間借り店舗の出店も検討したい

――今後の展開について教えてください。

及川さん
及川さん
まずはもっといろいろな商品開発を進めていきたいですね。最近では、宮城蔵王発のブランド豚「JAPAN X(ジャパンエックス)」を使った「コマドリカツサンド」(1430円)や、「コマドリのカツ丼」(1210円)などを考案しました。季節ごとの商品も増やしていきたいです。

――「こまどり」とは別の店舗展開の予定は?

及川さん
及川さん
検討中です。間借りをテーマにして「こまどり」を始めて数ヶ月経ち、運営のノウハウも得られました。これを活かして、次も間借りでの出店を考えています。

間借りシステムを活用し、コロナ禍にオープンした「こまどり」。

出勤前にコーヒーを一杯、お昼に栄養たっぷりのランチをいただきに、カフェタイムには気分に応じたドリンク&スイーツでほっとひと息……などなど、日常のあらゆるシーンでふらりと立ち寄りたい喫茶店だ。

店内の随所に居酒屋の雰囲気を感じられる喫茶店というのも、なかなか乙なもの。ぜひこの独特な趣深さを体感しに、「こまどり」に足を運んでみてほしい。

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『仙台駅前喫茶こまどり』
・住所:仙台市青葉区花京院1丁目1−52 朝日プラザ花京院 地下1階
・TEL:070-1143-9961
・営業時間:【平日・土曜】5時00分~15時00分 【日曜】11時00分~17時00分(L.Oは閉店1時間前)
・定休日:木曜、第2日曜日
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この記事を書いた人

岩崎尚美

岩崎尚美

仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!

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