仙台の爬虫類カフェ『ジュラの杜』ってどんなお店?どんな爬虫類がいる?

2019.04.22

2017年1月のオープン以来、テレビやSNSなどで大きな話題を呼んでいる爬虫類カフェ「ジュラの杜」。

食事をしながら爬虫類を観察できるだけでなく、触れ合ったりエサをあげたり、気に入った爬虫類を買うことも可能だ。

実際にお店を訪れ、店長の伊藤渓登(いとう・けいと)さんにジュラの杜の特徴やおすすめの爬虫類、オープンするまでの経緯などを聞いてきた。

「ジュラの杜」はグリーンイグアナの看板が目印!

三井アウトレットパーク仙台港のほど近くに位置する「爬虫類カフェ ジュラの杜」。 仙台東部道路(産業道路)沿いにあるので、この看板に見覚えのある方も多いのではないだろうか。

爬虫類カフェ ジュラの杜の外観画像

最寄り駅のJR仙石線「中野栄駅」からは徒歩5分ほど

ジュラの杜の看板

仙台東部道路(産業道路)沿いにある看板

店内は1階がカフェスペース&ふれあいコーナーで、2階が販売スペース&VIPふれあいコーナー。1階の「ふれあいコーナー」と2階の「VIPふれあいコーナー」の違いは後ほど詳しく説明するとして、さっそく店内にレッツゴー。

じゅらの杜の店内はどうなってる?

爬虫類カフェ ジュラの杜の1階店内

清潔感かつ開放感のある店内

1階のカフェスペースには、レンガ調のカウンターに木製のカウンターテーブルがレイアウト。天井付近に施された葉っぱの装飾の効果もあって、おしゃれな雰囲気のカフェという印象だ。

爬虫類カフェ ジュラの杜_1階水槽

カフェスペース中央には大きな水槽がどーん!

取材当日は優雅に泳ぐ水ガメの姿が見られたが、季節やスタッフの気分などによって中身が入れ替わるそう。水槽のなかにどんな爬虫類が潜んでいるかは、行ってからのお楽しみだ。

ジュラの杜_1階カフェスペース机

水槽の奥には4人掛けと2人掛けのテーブル

すでにお気付きかもしれないが、各テーブルには爬虫類の入ったケージが置いてある。写真撮影OKなので、インスタ映えを狙って撮影を楽しむべし。

ジュラの杜_ケージの中にいるヒョウモントカゲモドキ

ケージの中に潜むヒョウモントカゲモドキ

ジュラの杜_近寄ってきたヒョウモントカゲモドキ の画像

カメラを向けると近づいてきてくれた

ジュラの杜_ケージの中のヘビ

つぶらな瞳がかわいいヘビの姿も。こりゃたまらん

ジュラの杜_1階の特等席の画像

爬虫類好きにとっては特等席!

カフェスペース奥のカウンターに、大きなテラリウム(水槽)を発見。ここでは、テーブル上のケージには収まりきらないサイズの爬虫類たちを観察できる。

ジュラの杜_ヨウスコウワニの画像

国内ではあまり見られないヨウスコウワニ(登録記号番号:第100-005653号)や

ジュラの杜_特等席のフトアゴヒゲトカゲの画像

勇ましい姿が印象的なフトアゴヒゲトカゲの姿が

ここはカフェスペース内でも人気の席で、たとえば、「ヨウスコウワニの前の席」という感じで予約をするお客さんがいるほど。

こちらも中央の水槽と同様、1ヶ月に1度くらいのペースで入れ替わるとのこと。ちなみに、カフェスペースはフリータイム500円のワンオーダー制で、ドリンクは1杯400円(税込、以下同)から用意している。

ジュラの杜_1階カフェメニューの画像

コーヒー(400円)のほか、カフェラテ(450円)やレモンティー(400円)など多数ラインナップ

食事メニューやデザートも取り揃えているので、爬虫類カフェデートにもおすすめだ。

ジュラの杜では爬虫類とも触れ合える

爬虫類を観察しながらカフェを楽しむだけでも十分だが、ジュラの杜を満喫するなら「ふれあいコーナー」も忘るべからず。

ジュラの杜_1階ふれあいコーナーの画像

1階のふれあいコーナー

先にシステムを説明しておくと、1回500円で制限時間は10分(5分延長200円)。制限時間の間に平日なら3匹、土日祝日なら2匹の動物と触れ合える。 プラス300円でエサやり体験もできるので、興味のある人はチャレンジしてみよう。かわいい爬虫類たちがエサを食べる瞬間は、最高にエキサイティング!

ジュラの杜_ふれあいの画像1

人気のヒョウモントカゲモドキはもちろん、ヘビやトカゲのほか↓(画像提供:爬虫類カフェ ジュラの杜)

ジュラの杜_1階でふれあえる動物たち

ミーアキャットやファンシーラット、リクガメとも触れ合える(画像提供:爬虫類カフェ ジュラの杜)

※触れ合える品種は取材時の情報です

じゅらの杜の2階に潜入!

続いては、2階のVIPふれあいコーナー。「爬虫類カフェ」ということで、爬虫類しかいないと思ったら大間違い。VIPふれあいコーナーでは、爬虫類以外の生き物だけでなく、稀少性の高い爬虫類とも触れ合える。もちろん、気に入ったら買うこともできる。

ジュラの杜_VIPふれあいコーナーで触れ合える動物たち

フサオマキザルやフェネックとも触れ合える

※触れ合える品種は取材時の情報です

200種類400匹以上! 販売コーナーに潜入

お次は、2階の販売コーナー。ここには、200種類以上の爬虫類たちが整然と並べられている。1階とは違い、ここは写真撮影NG。知られざる店内の様子をレポートしていく。

ジュラの杜_2階のショップ部分全体画像

大小さまざまなケースが並ぶ

ジュラの杜_2階ショップスペースの全体画像2

スペースは思ったよりも広い

あまりにも数が多すぎて紹介しきれないので、伊藤店長に「人気の爬虫類」「おすすめの爬虫類」「レアな爬虫類」をそれぞれ3品種ずつ挙げてもらった。

ジュラの杜_伊藤店長の画像

教えて、伊藤店長!

ジュラの杜で人気の爬虫類×3種

【ヒョウモントカゲモドキ】

人気の爬虫類_ヒョウモントカゲモドキ

爬虫類初心者にもおすすめのヒョウモントカゲモドキ

伊藤店長
伊藤店長
1階のカフェにもいますが、1番人気はこのヒョウモントカゲモドキ。通常、ほかのヘビやヤモリにはまぶたがないので、目がずっと開きっぱなしなんですよ。でも、ヒョウモントカゲモドキにはまぶたがあって、エサを食べるときや寝てるときに目を閉じるので表情を楽しめる。女性からも人気ですね。

手のひらサイズゆえ、飼う際にスペースを要さない点も人気の理由のようだ。ちなみに値段は、安ければ1匹5000円くらいから購入可能。こういう品種や安価な飼育セットであればトータル2万円くらいで飼えるので、爬虫類初心者にもおすすめだ。なお、自宅の環境によって飼育に必要なアイテムが異なるので、スタッフに相談してみよう。

伊藤店長
伊藤店長
ヒョウモントカゲモドキの値段はピンキリなんです。安いと5000円くらいですが、高いと1匹100万円もするレアな品種もいるくらい。でも、そういうレアな品種と繁殖をさせてさらに次の新種を狙うこともできるので、夢がありますよね。
人気の爬虫類_ヒョウモントカゲモドキ (ブラックナイト)

カラダが黒くてレアなヒョウモントカゲモドキ(ブラックナイト)

【フトアゴヒゲトカゲ】

人気の爬虫類_フトアゴヒゲトカゲ

あご下のウロコが特徴的なフトアゴヒゲトカゲ

通常、トカゲにはヒゲが存在しない。しかし、このフトアゴヒゲトカゲの場合、ウロコが尖ってヒゲのように見えることから、こう命名されているとのこと。

人気の爬虫類_フトアゴヒゲトカゲのヒゲの画像

アゴ下のウロコが尖ってヒゲのように見える

伊藤店長
伊藤店長
ヴィジュアルはもちろんですが、エサに気付いて近寄ってくるなど人懐っこい性格なので人気ですね。こうやって触れてもまったく動じないので、たとえば、うさぎみたいに小動物のような感覚で飼えるのも特徴。なかには、フトアゴヒゲトカゲ用の洋服を着せ、リードを付けて散歩をしている人もいるくらいですよ。

【コーンスネーク】/p>

コーンスネークの画像

爬虫類初心者にも飼いやすいコーンスネーク

伊藤店長
伊藤店長
もともと、コーンスネークは北米に棲息している品種なんです。北米は日本みたいに暑い時期もあれば寒い時期もあるので、多少、温度が上がったり下がったりしても気にしないでエサを食べてくれる。飼いやすいのが特徴ですね。

最終的には1メートル以上になるが、基本的には画像のようにとぐろを巻いているので、大きなスペースを必要としない点も人気の理由のようだ。

伊藤店長
伊藤店長
冷凍のマウスを食べるんですが、3日や4日に1回、解凍して食べさせればいいだけ。旅行などの際にも気をつかわなくていいんですよね。冷凍マウスなどといったエサも販売してますので、エサだけをお求めのお客さまも大歓迎です。

伊藤店長おすすめの爬虫類×3種

【オオヨロイトカゲ】

オオヨロイトカゲの画像

誰が見てもかっこいいオオヨロイトカゲ

爬虫類好きにとって、憧れの存在とも言われているオオヨロイトカゲ。太陽を仰ぎ見るように日光浴をするその姿から、別名「サンゲイザー(太陽を見つめる者)」の異名でも知られている人気者だ。

伊藤店長
伊藤店長
オオヨロイトカゲは、カラダ中がギザギザしているのが特徴。いまも昔もそうですが、流通量が減っていて入手するのが難しいくらいなんです。

かなりレアで、今後さらに流通量が減るとも言われていて、伊藤店長もかなりお気に入りの様子。探していた人も多くいるはずなので、ぜひ問い合わせてみよう。

【マツカサトカゲ】

マツカサトカゲの画像

レアでもあるマツカサトカゲ

伊藤店長
伊藤店長
オーストラリアに棲息している品種なので、温度差を気にせずに飼えるのが特徴。サイズも40センチくらいなので飼いやすいといえば飼いやすいんですが、1度に1〜2頭の幼体しか産まないのでかなりレアな品種。こちらも手に入れるのに苦労する品種ですね。
おすすめの爬虫類_マツカサトカゲのアップ画像

大きなウロコが松ぼっくりのように見えることから「“マツカサ”トカゲ」と命名されたようだ

【カーペットパイソン】

おすすめの爬虫類_カーペットパイソンの画像

大蛇を飼っている感覚になれるカーペットパイソン

中型サイズのヘビとはいえ、体長2メートルにもおよぶカーペットパイソン。「ある程度の太さもあるので、ずっしり感があってちょっとした大蛇を飼っている感覚になれる」ことがおすすめする理由とのこと。

伊藤店長
伊藤店長
もともとオーストラリアに棲息している品種なので、種類によっては低温にも耐えられるのが特徴です。ある繁殖家によると、冬場はかなり低温にしなければ繁殖がうまくいかないという話もあって。このことから低温にも耐えられ、飼育もしやすいと言われているんです。

ちなみに、伊藤店長も自宅でカーペットパイソンを飼っていて、繁殖の目的もあり、冬場は15度ほどの室温をキープしているそう。

伊藤店長
伊藤店長
繁殖を狙っていないかたはある程度、保温するのがベターです。

レアな爬虫類×3種 by伊藤店長

【シシバナヘビ(ツインヘッド)】

レアな爬虫類_シシバナヘビ(ツインヘッド)の画像

ん? 頭がふたつある?

伊藤店長
伊藤店長
頭がふたつあるのは、言っちゃえば奇形なんです。こういうのが産まれることは稀にあるんですが、奇形なのですぐに死んでしまうことが多い。でも、このシシバナヘビはエサも食べて元気に生きてる。こうやって長い期間にわたって展示できているのはレアだと思います。

【ホウシャガメ】

レアな爬虫類_ホウシャガメの画像

カメマニアのみならず、爬虫類ファンであれば一度は耳にしたことのあるホウシャガメ(登録記号番号:第180-000813号)

放射状の模様が特徴のホウシャガメ。絶滅危惧種に指定されていて稀少性が高く、もっとも手に入れにくいリクガメのひとつだそう。

伊藤店長
伊藤店長
亀は成長するのに時間がかかりますよね。大きければ大きいほど価値が上がるんですが、これは大きいホウシャガメなんです。このほかにもストック場には、大小合わせて20匹ほどのホウシャガメがスタンバイされていますよ。

【ボールパイソン スケールレス】

レアな爬虫類_ボールパイソン スケールレスの画像

日本に数匹しかいないボールパイソン スケールレス

スケールは日本語で「ウロコ」という意味。つまり、ウロコのないのがこちらのボールパイソン スケールレスである。

伊藤店長
伊藤店長
ウロコのあるボールパイソンは一般的に流通してるんですが、このスケールレスは国内には数匹しかいないほどなんです。

かなりレアな品種ということで値段を聞いてみると、その額100万円以上(!)。確かに高額ではあるが、ファンにとっては喉から手が出るほど欲しい逸品である。

ジュラの杜のオープンのきっかけは? どうして「爬虫類+カフェ」なの?

2017年1月27日にオープンした「爬虫類カフェ ジュラの杜」。オープン以来、爬虫類ファンを中心にSNSなどで話題になっている同店だが、どういう経緯でオープンを迎えたのだろう。

ジュラの杜_伊藤店長の画像

爬虫類のことをうれしそうに話す伊藤店長。爬虫類愛がひしひしと伝わってきた

伊藤店長
伊藤店長
世の中的に、爬虫類って嫌われ者なんですよ。でも、すべての爬虫類が毒を持っていたり人を食べてしまったりというわけではなくて……。独自の進化があって、現在の姿や形に進化している。そういう素晴らしい部分が忘れられているんですよね。なので、世の中の誤解を解きたい、もっと爬虫類の良さを知ってほしいという思いでオープンしました。

それにしても、なぜ純粋な爬虫類専門店ではなく、カフェを併設する必要があったのか——。

伊藤店長
伊藤店長
爬虫類専門店ってなると、入りにくい方もいらっしゃるはずなんです。でも、カフェやふれあいコーナーを併設することで、とくに初心者にとってはハードルが低くなるかなって。レアな品種も多く扱ってるので爬虫類マニアの方がご来店されることも多いんですが、興味本位でご来店される初心者のお客さんがとても多いんですよ。ふれあいコーナーで触れ合うなどして、『かわいい』『飼いたい』ってなる方もたくさんいらっしゃるので、爬虫類を飼うきっかけ作りにはなってると思いますね。

関東や関西ではメジャーになりつつある爬虫類カフェだが、仙台、いや、東北では「爬虫類カフェ ジュラの杜」だけ。豊富な知識を持つスタッフがていねいに教えてくれるので、爬虫類ファンはもちろん、興味のある人はぜひ気軽に足を運んでほしい。

※値段などの情報はすべて取材時のものです

『爬虫類カフェ ジュラの杜』
・住所:宮城県仙台市宮城野区出花1-16-10
・TEL:022-253-6733
・営業時間:11時〜20時
・定休日:毎週火曜日(祝日は除く)
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この記事を書いた人

つきの萩子

つきの萩子

東京の雑誌編集部で3年働いたのち、仙台と萩の月とほやが好きすぎてUターン。まだまだ知られていない仙台のディープなネタを発掘します。

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