食パン専門店「ラ・パン仙台本店」ってどんな店?なぜパン屋に?元楽天選手に聞いた

2020.12.10

楽天元選手長谷部康平の画像

仙台駅東口に、元楽天選手の長谷部康平(はせべ・こうへい)さんがオーナーを務める食パン専門店があり、話題を呼んでいる。その店の名は、「ラ・パン仙台本店」。

プロ野球選手から食パン専門店のオーナーとは、またずいぶんと異色な経歴ではないだろうか。専門店の食パンがどれほどおいしいのか、そして、長谷部さんがなぜそうしたキャリアを歩むことになったのか——そのストーリーもあわせて取材した。

ラ・パン仙台本店は2020年8月1日オープン

ラパン仙台本店の外観画像

「ラ・パン(LA・PAN)」は、関東や関西を中心に全国約30店舗を展開する食パン専門店。東北初出店となる仙台本店は、2020年8月1日にオープンした。

ラ・パン仙台本店の場所は、仙台駅東口から宮城野大通りを進み、東北福祉大学・仙台駅東口キャンパスを左折して150mほど歩いたところ。右手にアゼリアヒルズという大きな建物があり、そこの1階に入っている。

オープン当初は1日500本以上の食パンを販売するほどで、オープンから4ヶ月ほど経過したこの日(2020年12月)も、平日のオープン前にかかわらず、食パンを求めて人々が列をなしていた。

ラパン店長の画像

元楽天選手で「ラ・パン仙台本店」オーナーの長谷部康平さん。エプロン姿もお似合いです!

そのまま食べて!ほんのり甘くて耳まで柔らかい食パン

ラパン仙台本店の店内画像

――ラ・パン仙台本店の商品ラインナップを教えてください。

長谷部さん
長谷部さん
基本の商品は「クリーミー生食パン」のみで、サイズは1斤(S)、1.5斤(M)、2斤(L)の3種類です。
ラパン仙台のクリーミー生食パンの画像

価格は、Sが440円(税込、以下同)、Mが660円、Lが880円

仙台の人気食パン店の画像

12月25日まではクリスマスバージョンの焼印が♡

――通常の食パン以外の商品は?

長谷部さん
長谷部さん
3ヶ月おきに期間限定の食パンを販売しています。今は、食パンの中にさつまいもを練り込んだ「お芋の生食パン」で、その前は「レーズンパン」でした。
ラパン仙台の期間限定食パンの画像

期間限定の生食パンは1斤サイズのみ。価格は780円

長谷部さん
長谷部さん
ラ・パンオリジナルブランドのジャム(630円~)もおすすめです。青森県産のふじりんごや山形県産のラ・フランスなど通常は12種類で、時期によっては期間限定商品のジャムも販売します。
ラパンのジャムの種類の画像

「素材、無添加にこだわったジャムです。ぜひ食パンと一緒に味わってほしいです」と長谷部さん

ラパンのラスクの画像

ラ・パンの食パンを使った「クリーミーラスク(380円)」もおいしそう

――客層や、よく売れるサイズは?

長谷部さん
長谷部さん
男女比では女性が多く、年代は40代以上が多いですが、10~20代のお客さまもいらっしゃいますし、幅広いですね。午前中はお土産用に買われることが多く、一度にたくさんの食パンを購入されるお客さまも多いです。夕方はお仕事帰りに自宅用として買われるお客さまが多い印象ですね。

――食パン専門店は他にもありますが、ラ・パンの食パンの特徴は?

長谷部さん
長谷部さん
パン自体にほんのり甘みがあって、しっとりしているのが特徴です。耳まで柔らかいので、買って当日なら、僕はそのままちぎって食べちゃいますね。
柔らかい食パンの画像

世界中から厳選した小麦粉、数種類のクリーム、はちみつを練り上げた逸品

仙台の人気の食パンの画像

断面もしっとりきめ細やか

――ラ・パンの公式HPでも、そのまま食べたりトーストしたり、シンプルな食べ方をおすすめされていますね。長谷部さんのおすすめアレンジなんかは?

長谷部さん
長谷部さん
僕は生でそのままか、トーストしてバターやジャムを塗って食べるのが一番好きですね。そのまま食べるにしても、買った当日と翌日とでは味が変わって、当日よりも翌日のほうが甘みが増すので、その違いも楽しんでいただけたら。

我が家では、子どもが生で完食してしまい、翌日まで残りませんでした…

長谷部さん
長谷部さん
ラ・パン仙台本店のInstagramで、いくつかアレンジメニューの紹介をしているので、そちらも参考にしてください。
食パンで作ったロールサンドイッチの画像

見た目もかわいい「ロールサンドイッチ」 【画像提供:ラ・パン仙台本店】

アレンジ食パンの画像

かぼちゃ好きにはたまらない「かぼちゃのグラタンパン」 【画像提供:ラ・パン仙台本店】

アレンジした食パンの画像

夏野菜をたっぷり使用した「ラタトゥーユ」 【画像提供:ラ・パン仙台本店】

――今日もオープン前にお店の前にお客さんが数組並んでいましたが、買いやすい時間帯は?

長谷部さん
長谷部さん
パンが工場から運ばれてくる時間帯が、11時、13時、15時の3回となりますので、その時間帯に合わせて来ていただけると品切れやお待たせする可能性が少ないです。ただ午前中は混雑する傾向にありますから、14時以降がおすすめですね。当日の予約はもちろん、1週間後までの予約を受け付けています。お気軽にお電話いただければ。
ラパンの予約について

確実にゲットするなら予約がおすすめ

引退後、自然と仙台での永住を決めた

――2007(平成19)年のドラフトで楽天への入団が決まるまで、仙台へ来たことはありましたか?

長谷部さん
長谷部さん
いいえ。東北には一度も来たことがありませんでした。出身が岐阜県なんですが、すごく寒くて雪が多いんだろうな、という程度のイメージしかなかったです。

――実際に住んでみてどうでしたか?

長谷部さん
長谷部さん
寒いことは寒かったです(笑)。でも、雪はそんなに降らないんだなと。意外でした。夏は岐阜に比べたら涼しいですし、ご飯もおいしい。過ごしやすい場所だなと感じましたね。

――他のメディアの記事で、「東北人の人柄に惹かれて仙台での永住を決意した」とおっしゃっていましたね。

長谷部さん
長谷部さん
はい。東北の人たちって、人とのつながり、ご縁を大事にしているというのをすごく感じました。出会った人みんながあたたかくて、助け合って生きているなって。そういう人柄や環境がすごく気に入って、現役引退後は自然に「住むなら仙台だよな」って思いました。仙台にマイナスポイントが見当たらなかったので、他を探そうという気が起きなかったです。

――仙台市民としてうれしいお言葉です! 実際に仙台で暮らしてみて、気に入っているポイントは?

長谷部さん
長谷部さん
駅からちょっと行ったところに、大きい公園がいくつもありますよね。そこに家族で遊びにいって、小さなテントをたててボール遊びをしたりお昼を食べたりできる。それがいいですね。男の子の子どもが2人いるので、よくキャッチボールもします。

――元野球選手とキャッチボールって、なんかめっちゃぜいたくな感じしますね……!

プロ野球選手から営業へ転身

元楽天選手、現ラパンオーナー長谷部康平さんの画像

――2016(平成28)年に現役を引退されて、その後、楽天野球団の営業職として働きはじめました。営業へ転身されたきっかけは?

長谷部さん
長谷部さん
子どもの頃からずっと野球をやってきて、引退するとき、自分の中ではやりきった感覚があったんです。だから次は野球以外のことがしてみたい、外の世界を知りたいと思いました。そんなときに営業のお話をいただいて。野球にも関わりつつ、まったく新しい仕事もできる。自分にとってプラスになるし勉強になるだろうと思ったので、営業の世界へ飛び込みました。

――営業時代は、どんなお仕事を?

長谷部さん
長谷部さん
はじめは個人・法人問わず、楽天の年間シートを販売する仕事をしていました。知り合いに当たるところからスタートして、その後はお客さんを紹介してもらったり、人の集まりに積極的に参加して名刺交換したり……なんてことをしていました。

――その後は?

長谷部さん
長谷部さん
年間シートの営業はプロ野球が開幕するまでなので、4月で終わって。その後は法人営業の部署へ異動しました。球場内に看板が出てますよね。あれに「広告を出稿しませんか?」って企業に営業するんです。要は、企業に楽天のスポンサーになってもらうための仕事をしていました。

――野球選手から営業職。まったく畑違いのお仕事に、苦労したことも多かったのでは?

長谷部さん
長谷部さん
一番苦労したのは、パソコンですね。僕、文字すら打てない状態からのスタートだったので。キーボード、人差し指一本ずつで打ってたんですから(笑)。

――それじゃ、メールを打つのもひと苦労ですね。

長谷部さん
長谷部さん
ビジネスマナーについても、至らない点が多かったと思います。ただ幸いなことに、選手上がりの営業ってことで、お客さまはみなさん大目に見てくださいました。人とのつき合いの中で教えてもらいながら、徐々に成長してきました。

ラ・パン仙台本店オーナーとしての今までとこれから

ラパン仙台本店の店内のインテリアの画像

――営業職を経て、食パン専門店のオーナーとして歩んだのはなぜでしょう。

長谷部さん
長谷部さん
引退したときの「いろいろな世界を見てみたい」という気持ちはずっと持ち続けていて。楽天の営業を3年やって、たくさんの学びを得て、また新しい世界を知りたいって気持ちが大きくなってきたんです。そのタイミングでラ・パンの食パンと出会って。

――パンとの出会いがきっかけだったんですか。

長谷部さん
長谷部さん
そうですね、こんなにおいしい食パンなのに、東北にはまだ店舗がない。ならそれを広めたらおもしろいんじゃないかって思ったのがきっかけで出店を決めました。

12月からは新店長を据え、オーナー業務に専念しているという

――ちなみに、お店に来たら長谷部さんに会えますか……?

長谷部さん
長谷部さん
常にお店にいるわけではないですが、ちょこちょこ顔は出しています。見かけたら、気軽に声をかけていただければうれしいです。

――ファンもよろこびますね。今後の目標を教えてください。

長谷部さん
長谷部さん
とにかくひとりでも多くの人に、ラ・パンの食パンを食べていただきたいです。2店舗目も視野に入れて動いていますし、催事にも力を入れていくつもりです。2020(令和2)年12月16日~29日には、仙台駅1階の催事に出店予定なのでぜひ立ち寄っていただきたいですね。

――カフェもオープン予定だとか?

長谷部さん
長谷部さん
はい。状況を見ながらオープンできればと思ってます。メニューはトーストとジャム、フレンチトーストなどシンプルなものを考えていて、あとはコーヒーなどのドリンクですね。なるべく価格を抑えて、気軽に来ていただけるお店を目指しているので、今後の展開もぜひ楽しみにしていただきたいです。
ラパン仙台本店のカフェスペース予定の画像

窓際にカフェスペースを設置予定だそう

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『LA・PAN(ラ・パン)仙台本店』
・住所:宮城県仙台市宮城野区榴岡3丁目4-1 アゼリアヒルズ1階
・TEL:022-762-9389
・営業時間:11時00分~19時00分
・定休日:なし(12月30日~1月2日は休み)
・最寄駅:「仙台駅」東口より徒歩5分
ラ・パン仙台本店インスタ
ラ・パンHP

この記事を書いた人

岩崎尚美

岩崎尚美

仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!

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