お茶の井ヶ田一番町本店が閉店!移転場所は?初売りはどうなる?全部聞いてきた
2021.05.15
毎年仙台初売りで大きな話題を呼ぶ「お茶の井ヶ田仙台一番町本店」が、2021(令和3)年5月末をもって閉店し、新店舗にて営業をスタートするという情報をキャッチ。
「どうして閉店するの?」「いつどこに移転するの?」「初売りは終わっちゃうの?」などなど気になることをすべて聞いてみようと、だてらぼ編集部はお茶の井ヶ田一番町本店へ向かった。
築70年以上!「お茶の井ヶ田 一番町本店」が老朽化による移転へ
お茶の井ヶ田は1920(大正9)年に創業。一番町本店が現在の場所で営業を開始したのは1928(昭和3)年のことだった。
1945(昭和20)年に仙台空襲の被害を受けたが、2年後の1947(昭和22)年には再建。
その後は2度ほど内装の改修を行なっただけで、70年以上にわたりずっと同じ建物で営業を続けてきたという。
店舗開発部のブロック長・野本遙(のもと・はるか)さん
――「お茶の井ヶ田一番町本店」は仙台市民にとってなじみ深いお店です。移転することになった理由を教えてください。
一番の理由は建物の老朽化です。もう10年以上前から雨漏りが起こるようになっていましたし、大きな地震があれば壁にひびが入ることもありました。
築70年以上とは思えない
――一見すると、店舗内はそこまで古い感じはしませんが。
お客さまに気持ちよく買い物していただけるよう、その都度処置を施してなんとか営業を続けてきました。しかしこの木造の建物は、仙台空襲後に再建されてからもう70年以上も経っていますからね。耐震面でも心配がありますから、2017(平成29)年ごろから本格的に新店舗の物件を探していました。
――移転ではなく建替えは考えなかった?
ここは正面以外の3面をすべて建物に囲まれていますし、アーケード内なので重機の搬入も難しく、工事に時間がかかることが予想されたんです。その間は営業できなくなりお客さまにご不便をかけることにもなりますから、移転することに決まりました。
たしかに工事は難しそうだ
新店舗でも恒例の初売りは継続!
お茶の井ヶ田の初売りといえばこの茶箱
新店舗となる「お茶の井ヶ田 仙台中央本店」は2021(令和3)年6月1日、クリスロード商店街にある庄文堂ビル(青葉区中央)の1階にオープン予定。
一番町本店から、仙台駅側へ約400mほど行った場所だ。
取材時(4月下旬)の時点では、まだ新店オープンの看板などは出ていない状態だった
――新しい物件を探すにあたって、重視したことは?
やはり伝統である「初売り」は継続したい、という気持ちがありました。そのためには、アーケード内での移転は絶対に譲れない条件でした。
泊まり込みで並ぶ人も多く、屋根のあるアーケード内が必須とのこと
――では初売りは継続すると。
はい。方法に関しては、2021(令和3)年はコロナ禍ということもあり、行列による密を避けるために事前抽選を行いました。2022年の実施方法については未定ですが、世情にあわせてアップデートしていきつつ、一方で毎年恒例の「初売り」は残していきたいと考えています。
仙台初売りは仙台市民にとって特別な存在なのだ
以前だてらぼでは、「お茶の井ヶ田」の初売りに並んだ猛者に密着取材している。気になる人は、「仙台初売り恒例!『お茶の井ヶ田』の茶箱の中身を並んだ人に密着させてもらった」を確認してほしい。
――移転にあたって、周りからの声は?
接客していると、ほとんどのお客さまから「どこに移転するの?」と聞かれます。完全閉店と勘違いされることが心配だったのですが、皆さまわかってくださっていて安心しました。それと同時に、「一番町本店がなくなるのは寂しい」というお声も多くいただきますね。通りすがりに、お店の写真を撮っていく人も多く見られるようになりました。
店頭に置かれたスタッフからのメッセージボード
新店舗「仙台中央本店」の広さ、メニューは?
――新店舗と一番町本店との違いは?
店舗面積は一番町本店の約1.3倍です。またイートイン用の席数を2倍に増やし、よりお客さまにゆったりと過ごしていただけるようになります。
一番町本店のイートインスペースはテーブル、カウンター合わせて約15席
新店の「仙台中央本店」では30席ほどになる
新店でもお茶の試飲は可能
――甘味メニューの注文方法は変わらず店頭でですか?
今まで同様、店頭で注文していただくスタイルです。テイクアウトしてもいいですし、広くなった店内でゆっくり召し上がっていただいても構いません。
イートインスペースではパフェなどの甘味メニューの他、店内で購入したお菓子を食べてもOK
「ずんだシェイク」を飲むも良し
喜久福を食べるも良し
――甘味メニューは、特に若い人から人気ですよね。
そうですね、ありがたいことに。仙台中央本店だけのオリジナル甘味メニューも新発売する予定で、若い世代のお客さまにスポットをあてた新メニューも考えていますよ。
――新メニュー、気になります!
今までお茶の井ヶ田の甘味といえばソフトクリームとパフェが定番でしたが、そうしたイメージを覆すような挑戦をしておりますので、ぜひオープンを楽しみにしていただければ。
――楽しみです。現状、特に人気の甘味メニューを教えてください。
「抹茶ソフトクリーム」が主力商品で、老若男女、幅広い年齢層のお客さまにご利用いただいています。
――抹茶ソフトは抹茶の濃さを選べるんですよね。
はい。2020(令和2)年8月から、「一番町本店」と「秋保ヴィレッジ アグリエの森店」の2店舗のみ、5種類のフレーバーから選べる「5色の抹茶ソフトクリーム」の販売を始めました。もちろん、新店舗でも販売は継続します。
お茶の井ヶ田スイーツの中では圧倒的な人気を誇る「抹茶ソフト」。ぜひご賞味あれ
――5種類のうち、人気なのは?
一番人気は「スタンダード(テイクアウト300円、店内306円)」で、2番目に人気なのが「プレミアムビター(テイクアウト500円、店内509円)」です。私のお気に入りもプレミアムビターですね。抹茶の風味ががつんと濃くて、それでいて上品な味わいなので量をたっぷり食べられます。抹茶好きな人にぜひ食べてもらいたいです。
知ってる?お茶の井ヶ田の商品ラインナップ
お茶の井ヶ田の店内画像
――店内にはお茶がたくさん売られていますが、何種類くらい扱っているのでしょう。
緑茶の他にもいろいろなお茶を取り扱っているので、全部で100種類以上はあります。
「さんぴん茶」「ごぼう茶」などさまざまなお茶を取り揃える
――そんなにあると、正直どれを選べばいいか悩んじゃいそうです。
そういう場合は、ぜひ従業員に声をかけてください。我々は入社してまず、お茶の知識とおいしいお茶の淹れ方をしっかりと叩き込まれていますから、いわばお茶のコンシェルジュなんです。
――それは頼もしいです。
当店で一番の売れ筋は急須で淹れるタイプのお茶ですので、年代はやや高めの、女性のお客さまが来店されることが多いです。最近は急須をお持ちでない人も増えているので、そういうお客さまにとって急須が新鮮に感じるみたいです。
最近は各家庭にひとつ……とも限らない急須
どの従業員であっても、お茶に関する質問にはしっかりとお答えできますので、お茶にあまり詳しくない人でも気軽に足を運んでいただきたいです。
カラフルでかわいい茶筒や
茶道具一式など
お茶に関するさまざまな物がここで揃う
これまでの伝統を大切にしつつ、令和の「新しいお茶の井ヶ田」を目指す
――最後に、新店オープンに向けて意気込みをお願いします。
お茶の井ヶ田として営業している限り、場所は変わっても販売している商品やお客さまに提供するサービスは変わりません。ですので、今までご来店いただいていたお客さまは、これからも安心してご利用いただければと思います。
一方で長く営業していくためには、より幅広い年代の人に愛されるお店でなければいけないと考えています。新しい「仙台中央本店」では、みなさまにもっと楽しんでいただけるお店づくりを目指し、「令和の新しいお茶の井ヶ田」として進化した姿をお見せできると思います。楽しみにしていてください。
新店舗の詳しい場所はこちら 【画像提供:お茶の井ヶ田】
新店舗では甘味メニューを充実させ、より幅広い世代のお客に親しまれる店づくりを目指すと語ってくれた野本さん。甘味メニューの提供時間も、現在よりも2時間長い10~19時になる予定だという。
新店オリジナルのメニューも登場するとのことで、今から楽しみにしておきたい。
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「お茶の井ヶ田 一番町本店」
・住所:仙台市青葉区一番町3-8-11
・TEL:022-261-1351
・営業時間:10時00分~19時30分(甘味コーナーは11時00分~18時00分)
・定休日:元旦
・最寄駅:仙台市地下鉄「広瀬通駅」
「(6/1~)お茶の井ヶ田 仙台中央本店」
・住所:仙台市青葉区中央2-5-9 庄文堂ビル1階南
・TEL:022-261-1351
・営業時間:10時00分~19時30分(甘味コーナーは10時00分~19時00分)
・定休日:元旦
・最寄駅:仙台市地下鉄「広瀬通駅」
この記事を書いた人
岩崎尚美
仙台を拠点に活動するフリーライター。生まれも育ちもだいたい仙台です。仙台の魅力をお伝えするため、頑張ります!
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